株式会社読売広告社
令和の富裕層をオリジナルセグメント化!調査から広告配信、効果検証までの一気通貫でアプローチ<前編>
- 認知
- 興味関心
- トライアル・購買促進
- オウンドメディアでの購買
- リピート・ファン化
株式会社読売広告社
株式会社読売広告社
メディアビジネスプロデュース局
デジタルメディア推進部
桑野 大介氏
株式会社読売広告社
マーケットデザインユニット
マーケットデザインセンター
第3マーケットデザインルーム ルーム長
佐々木 崇秀氏
株式会社読売広告社
メディアビジネスプロデュース局
デジタルメディア推進部
遠藤 久孝氏
楽天グループ株式会社
コマース&マーケティングカンパニー
マーケティングパートナー事業
アカウントマネジメント部
第一パートナー営業課
鈴木 健一
楽天グループ株式会社
コマース&マーケティングカンパニー
マーケティングパートナー事業
アカウントマネジメント部
第一パートナー営業課
江原 万理
― 今回、楽天にて、読広様専売の富裕層に向けた施策「令和リッチオリジナルセグメント『パッケージ』」を実施しました。本施策はどういったきっかけでスタートしたのでしょうか。
佐々木氏:弊社は不動産系に強い広告会社ですが、不動産の価格が高騰しているという背景があるなか、社内でも富裕層マーケティングにより力を入れていきたいという話が出ていました。クライアントからも、富裕層と呼ばれるターゲットにどうアプローチすればいいかといった問い合わせをいただくことがあり、まずは富裕層に関する研究を始めようとなったところが施策をスタートしたきっかけのひとつです。
桑野氏:富裕層へデジタルでアプローチしようとなったときに、アプローチ自体はできますが、そこからどうPDCAを回すか、効果を可視化して検証していくのかといったところが重要と考えていました。富裕層、とくに消費意欲の高いパワーカップルなどを中心とした令和の時代の富裕層をターゲットとしたいと考えたとき、楽天さんであれば、調査のところからしっかりとシードを作り、さらに楽天インサイトの調査能力で効果検証までを行うことが可能なのではと思っておりました。 ただ、楽天のユーザーさんは生活必需品を購入される方が多いイメージでしたので、富裕層マーケティングと合致するのかについては、正直、当初は懸念もございました。
鈴木:おっしゃるとおり、弊社と富裕層のイメージをもちづらい方もいるかと思います。実際にはハイブランド商品の取り扱いや、楽天グループとしてフィンテックや車関連のデータ、CDNAによる購買・ユーザー行動データをもとにしたアトリビュート(属性)などのデータ蓄積もございます。そこからユーザーの消費意欲やライフスタイル、年収をある程度類推できる部分もあるため、ターゲティングについては問題なく進められました。
桑野氏:たしかに、クライアントからも「富裕層は、楽天を使われるのですか?」といったお問い合わせをいただくことはありました。その点についてはバックデータなどで示すのと合わせて、いまや収入に関わらず誰もがECを使う時代ですし、実際にターゲットとした「令和リッチ層」が楽天さんを使われていたことも今回の施策で証明することができました。
― 相談を受けてからオリジナルセグメントの作成完了まで、どの程度かかりましたか?
鈴木:読広さんのほうで、令和時代のパワーカップルといった「こういう富裕層に向けてアプローチをしたい」などのターゲットイメージがあったので、それをベースに、楽天インサイトによる調査を実施、読広さんでの研究を経て、今回の独自施策となるオリジナルセグメントを作成しました。オリジナルセグメントの作成完了までは、約1週間程度のスケジュールで対応させていただきました。
― 広告配信を含めると具体的にどう施策を進めたのでしょうか。
鈴木:そのセグメントを使用して弊社の運用型広告・RMP - Display Adsで広告配信。配信後に広告接触者に対してアスキング調査を実施し、態度変容の確認や、広告接触者が実際にどういったペルソナであったかをRakuten AIris(※1)を使って分析、効果検証までをパッケージ化し、一気通貫で施策を行いました。
※1 楽天のビッグデータを分析してユーザーの消費行動をより深く理解することを可能にし、マーケティングソリューションとしての最大活用を実現するAIエージェント。
― 施策を進めるうえで、楽天の強みはどこにあると感じられましたか?
桑野氏:施策を進めるうえで、「令和リッチ層」というのは実際の層のデータを把握しづらい部分があったので、調査力のある会社が必要でした。そのうえで、広告配信まで結びついたかたちを検討した場合、楽天グループならばビッグデータに基づく調査だけにとどまらず、広告配信からその後の広告効果測定と分析といったところまでできるという点に、他社さんにはない強みを感じました。
遠藤氏:同じく、その「調査」と「広告」というところの一体感ですね。しっかりしたデータ量を確保したうえで、広告配信や分析など次につなげられるという部分を楽天さんのいちばんの強みと感じ、ぜひお願いしたいという話になりました。
佐々木氏:不動産ですとエリアマーケティングが主になってくるので、パネルの数が豊富な楽天さんだからこそできる部分が大きかったと思います。提案の際にも、「(パネルの数を)これだけ確保できますよ」といった話をクライアントにお伝えできることもプラスに感じています。
鈴木:今年度は広告ビジネスと楽天インサイト(リサーチビジネス)、リンクシェア(アフェリエイトビジネス)の連携を推進する動きが社内でもあり、よりいっそう柔軟に、スピード感をもって施策を実施することができるようになりました。まさにその利点を感じていただけているようで、ありがたいです。読広さんには、データの掛け合わせや、複数プロダクト(タイアップなど)の提案をさせていただくこともありましたが、今回の「令和リッチパッケージ」については、どこで効果的に使っていくかというご判断を読広さんのほうでしていただき、実施に至りました。
― 今回の「令和リッチ オリジナルセグメントパッケージ」施策は、楽天側としても初めてのモデルケースということで、どういうふうに考えていますか。
鈴木:楽天インサイトと広告事業部は、これまで別々にクライアントへご提案するケースもありましたが、この施策を通して連携をとることの効果を示すことができて、よかったです。
江原:今回の富裕層ターゲットについては、楽天インサイトでもそこまで前例が多くないため、ひとつの事例ができたことが大きいです。楽天インサイトと広告事業部が連携することによって、最後の効果測定までを明確にできたことで、今後の可能性を大いに感じています。
鈴木:とくに読広さんが担当されている不動産やジュエリーという業界は、ターゲティングの精度が高くなればなるほど、広告配信ボリュームがどうしても少なくなってしまいます。今回は、調査シードをもとにセグメント作成を行い、配信させていただいたので、ある程度の量を担保して広告配信ができたことと、あとは楽天インサイトの調査結果とRakuten AIrisによる分析によってオンターゲットを可視化できた部分は、非常に大きな成果だったと感じています。
― 今回の広告効果測定では、どういった結果が出たのでしょうか。
鈴木:たとえばRakuten AIrisの分析では、どういったものを購入しているか、ライフステージはどういった状態なのかといったものをアトリビュートデータ(属性データ)としてお出ししました。「楽天会員としての接触者はこういうペルソナです」という結果をもとに、読広さんがファインディングスをアレンジくださり、PDCAへつなげたというかたちです。
江原:2023年からYouTube広告の接触ログべースでの効果検証ができるようになったので、R-DCRブランドリフトサーベイ(※2)にてYouTubeのログベースで接触、非接触をとり、実際にアスキングで調査をかけました。結果としては、非接触者に比べ、認知・好意・利用意向で令和リッチセグメントが上回る結果になっていたので、狙いどおりの効果につながったと分析しています。
※2 アンケートデータと、Ads Data Hub(ADH)に蓄積されるYouTube広告の接触ログを連携することで、「実際にウェブ広告に接触した人」に対してYouTubeの効果検証ができる調査プロダクト。
令和の富裕層をオリジナルセグメント化!調査から広告配信、効果検証までの一気通貫でアプローチ<前編>
日能研本部
日清オイリオグループ株式会社
ペルノ・リカール・ジャパン株式会社