オーストリア大使館観光部
KPI大幅クリア!「楽天エコシステム(経済圏)」と多角的な施策で実現する、オーストリア観光の新たな顧客体験:魅力発信から行動喚起まで
- 認知
- 興味関心
- トライアル・購買促進
- オウンドメディアでの購買
- リピート・ファン化
オーストリア大使館観光部
オーストリア大使館観光部
マーケティング
福田 明子氏
楽天グループ株式会社
マーケティングパートナー事業
広告営業部
インダストリー営業課
第一営業グループ
澤田 卓也
― 楽天の広告に興味を持ったきっかけについて教えてください。
オーストリア大使館観光部 福田 明子氏(以下、福田氏):オーストリア大使館観光部では、オーストリアの魅力について日本の消費者に知って、訪れていただきたいという目的のもと、年間を通じて様々なプロモーション活動を行っています。
2024年と2025年には楽天さんの広告商品を利用させていただきました。それには二つの理由があります。
一つ目は、楽天グループが多種多様なサービスを展開しており、幅広い層の日本人消費者にリーチできることです。楽天のイベント「Rakuten Optimism 2024」(2024年)と「Rakuten AI Optimism」(2025年)に参加した際には、現代の社会の縮図を見るようなバラエティに富んだ内容で、圧倒されました。また、旅行は一定の予算が必要ですので、高い購買意欲や購買力を持つ楽天のユーザーに接点を持つことができるのも大きな魅力でした。
二つ目は、旅行やアクティビティ関連のサービスを通じて、実際のアクションを促せることです。今回の施策では、ページ内の各コンテンツでオーストリア観光について訴求したあとに、実際に美術館などの予約ができる導線を設置しました。このような導線が整っていることは、多くの人たちにオーストリアの魅力を伝え、行動に移していただくという意味において、重要なポイントでした。
今回は観光局や各施設の公式サイトへのリンクは貼らず、すべて楽天グループのサービス内に情報を集約しました。出資してくれているオーストリアの関係企業にも、楽天グループのプラットフォームなら、魅力の発信から予約・購入まで一気通貫できるという説得もしやすく、説明材料としても最適でした。
― 施策前に感じられていた課題感はどのようなものでしたか。
福田氏:オーストリア大使館観光部(旧:オーストリア政府観光局)は昨年、日本支部の開設から50周年を迎えました。おかげさまで、長年オーストリアに興味を持ち続けてくださる方々――リピーターや、いわば“オーストリアファン”の層が一定数存在しています。まずはこの皆様を大切にしていきたいという思いがあります。
一方で、日本からオーストリアへの渡航者数は、コロナ禍の影響もあり、まだ完全には戻っていません。今後、さらにオーストリアへの観光を促進していくためには、既存のファン層だけでなく、より広い層へリーチしていく必要があると感じていました。観光はオーストリアにとって重要な財源であり、富裕層の誘致は大事なテーマです。もちろん富裕層に限らず、どなたに来ていただいても歓迎という前提ですが。
世界には魅力的な観光大国が数多く存在します。その中で、まずオーストリアについて知り、そして魅力を感じて、観光先の選択肢に入れていただくこと。さらに、都市や観光施設に足を運ぶという実際の行動につなげるというのが私たちの最大のミッションです。
旅行先の候補を考えるとき、最初にオーストリアを選択肢として思い浮かべていただくのは、簡単ではないことは承知しています。でも、「次に行きたい国」としてすぐに名前が挙がるような存在を目指したいと考えています。そのためには、もっと認知を広げ、オーストリアに対して具体的なイメージを持っていただく必要性を感じています。
例えば、日本人の多くが、アルプスといえばスイスというイメージ持っていると思いますが、実はアルプス山脈の面積のうち、最も広い29%を占めるのはオーストリアです。このような事実はあまり知られていません。オーストリアといえば、音楽の都ウィーン、モーツァルト、シューベルト、ヨハン・シュトラウスなどのイメージを抱く方は多いと思います。実際に、オーストリアではウィーンやその他に地方都市でも夏に屋外で音楽祭を楽しみます。それから、あまり知られてないかもしれませんが、オーストリアでは質の高いワインが地産地消されています。気候のよい季節に、ホイリゲ(ワイン居酒屋)で楽士が奏でる音楽を聴きながら、ワイン醸造所の自家製ワインと軽食をカジュアルに楽しむこともできます。
国民性として、人生を楽しむ達人のようなところがあるのも大きな魅力です。「ゲミュートリッヒカイト」(心地よさを意味するドイツ語)というオーストリア特有の価値観が大切にされています。こういった魅力をたくさんの人に伝えていきたいという気持ちがあります。
楽天グループ株式会社 澤田 卓也(以下、澤田):今回の施策では、フランスやイタリアなど観光大国の情報量やビジュアルに負けないよう、動画を軸にしました。ポイントポータルサイト「楽天ポイントモール」上にページを作成し、オーストリアに関する動画と、その下には一層の理解促進と興味喚起を目的に、おすすめスポットの紹介文や写真を掲載しました。
ただ、動画を見ていただくこと自体も簡単ではありません。そこで、動画視聴後に「楽天ポイント」を進呈するキャンペーンを設けました。ポイントを進呈することでユーザーの反応を促し、行動を自然に次のステップにつなげるための施策です。
さらに、認知からアクションへの導線を整えました。おすすめスポットの紹介文とあわせて、オーストリアに関する多様なアクティビティが予約できる、「楽天トラベル観光体験」への導線を設置しました。
多角的な施策と「楽天エコシステム(経済圏)」を組み合わせることで、認知獲得から理解促進、実際の行動喚起にまでつなげることができました。
動画コンテンツがとても魅力的だったこともあり、「ぜひSNSでも訴求したい」との声が「楽天トラベル観光体験」側から上がるなど、関係部署との連携もうまくいきました。コンテンツの質と送客につながるという点が評価されたようです。
福田氏:ターゲット層を明確にできたことも、大きな収穫でした。従来はシニア層が中心でしたが、若いうちからオーストリア観光に興味を持っていただくことで、将来的に長期的なリピーターになってくださるのでは、という狙いもあります。
澤田:セグメントを絞ってユーザーの行動を分析できる点は、弊社の強みの一つです。単なる動画視聴数やクリック数だけでなく、「楽天エコシステム」での消費行動や、年齢、世帯年収、居住地などのデータからセグメントして分析することができます。この一連の流れにより、次に狙うべきユーザー像を具体的に示せるので、今後独自の施策を実施される際などにも参考にしていただけると思います。
― 今回の施策で感じられたベネフィットについて教えてください。
福田氏:今回の施策のベネフィットは、大きく二つあります。まず、 認知の拡大です。今回の広告施策を通じて、オーストリアの観光施設の認知が確実に拡大したと考えています。KPIを達成した2024年と比較しても動画視聴数が大幅に伸び、成果が数字として明確に表れていました。内部向けにも確かな結果として報告できる点は非常にありがたいです。
もう一つは、「楽天ポイント」を活用した施策と「楽天スーパーSALE」の相乗効果 です。動画を視聴していただくと「楽天ポイント」を獲得できる設計によって、時間を取って動画を視聴してくださった方へお礼ができたという実感がありました。また、「楽天スーパーSALE」の時期でもあったため、お祭りのような高揚感の中で多くのユーザーに「楽天ポイント」が獲得できるキャンペーンに参加して、オーストリア観光について知っていただけたと思います。
澤田:キャンペーンの周知には、運用型ディスプレイ広告「RMP - Unified Ads」を活用し、楽天グループのメディアに広告を配信しました。「楽天スーパーSALE」の時期はユーザーが自然と集まりますので、より多くの方にオーストリアの魅力を訴求できました。また、普段よりもユーザーの購買意欲が増大していて、オーストリア旅行に興味を持っていただきやすいタイミングだったことに加え、楽天グループのアクティブユーザーと「楽天ポイント」の親和性の高さも生かすことができ、動画視聴者数、アクセス数ともにKPIの大幅達成という成果につながったと考えています。
福田氏:しっかり数字で結果を出していただけたことに加え、限られた予算内でできる施策を検討してくださったことも、とても助かりました。昨年今年と2年連続で広告施策をお願いできたことは、公的機関としては珍しい例かもしれません。
澤田:楽天のシングルIDを活用することで、広告配信したユーザーの消費行動、旅行の予約履歴など多様なサービスに基づくデータを活用した、高精度な分析が可能です。施策の回数を重ねるごとに、分析結果を生かして改善していけることも強みと考えています。例えば今回の施策では、前回のコンバージョンユーザーの特徴を分析し、どのような方がターゲットになり得るのか、さらに深い分析を行うことで広告配信に生かしています。
さらに今後の展開として、「楽天インサイト」を活用して、例えば動画を視聴した方に「オーストリア渡航歴があるか」「今後旅行を予定している国はどこか」など、より詳しい調査を行うことも可能です。この展開も、シングルIDの楽天ならではだと思います。
また、AIソリューション「未来購買予測」を活用することで、広告に接触してコンバージョンした人・しなかった人の行動差分を比較・分析した未来の購買予測が可能です。10年以上にわたり蓄積された膨大な消費行動分析データを元にAIがユーザーをスコアリングすることで、例えば、「近い未来、オーストリア観光に興味を持つ可能性の高い人」を予測するといったこともできます。これはユーザー本人さえまだ気づいていない“未来の興味”です。この層にアプローチし、オーストリアを初期想起していただくことにつなげることで、新規ユーザーの獲得も見込めます。
― 今後、楽天に期待することをお聞かせください。
福田氏:「楽天トラベル観光体験」では、すでにオーストリア観光の訴求施策を実施してくださっていますが、今後、より掲載内容の質や量を拡充していきたいと考えています。内容がリッチになれば、広告展開もしやすくなり、ユーザーの体験向上にもつながるはずです。
澤田:分析やセグメントにおいて、特に期待されている点はありますか。
福田氏:現在の取り組みを継続していただきたいです。そして、「未来購買予測」を活用した潜在層へのアプローチには、強く魅力を感じています。
澤田:海外旅行を検討する前の段階で、オーストリアを初期に想起していただくことができれば、観光へ誘導する効果はさらに高まります。オーストリア観光のコンテンツそのものが強いので、良いクリエイティブ制作ができることも、それに大きく影響するのではないでしょうか。また、現地にインフルエンサーを派遣し、実際に体験していただく施策も有効と考えています。楽天では、インフルエンサーによる興味喚起が可能な広告商品「RMP - Influencer Marketing」を提供しています。体験に基づくリアルな反応をユーザーに届けることで、高い解像度で魅力を伝えることが可能です。
福田氏:来年の重点テーマは「食」ですので、なにか施策ができればと考えています。
澤田:そのテーマに合わせて、例えば「日本で楽しめるオーストリア」のようなコンセプトで、「楽天レシピ」にオーストリア料理を掲載するような施策も実現できそうです。弊社が「オール楽天」として取り組み、多角的な組み合わせの施策展開ができることを最大限活用し、潜在層に積極的にオーストリア観光を訴求し、次の旅行の行き先として真っ先にオーストリアを想起できるような状態を作っていけたらと思います。
福田氏:それはとても心強いです。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
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