CRM(顧客関係管理)とは?
CRMは「Customer Relationship Management(顧客関係管理)」の略であり、顧客との関係を管理・強化することで、売上の拡大を目指す戦略です。実践にあたっては、効率的に運用するために専用のCRMツールを導入するのが一般的です。CRMツールでは、顧客情報を一元管理し、年齢や住所などの基本的な属性情報はもちろん、問い合わせ履歴やWeb上での行動など、多岐にわたるデータを集約できます。
こうした情報を一元的に把握することで、顧客一人ひとりのニーズや状況をより正確に把握することが可能になります。最適な商品提案や、きめ細やかなアフターサポートも行いやすくなります。
CRM(顧客関係管理)は単なる情報管理にとどまらず、顧客との信頼関係の構築も重視しています。集めた情報が社内の各部門で共有されるため、組織全体での顧客対応力が高まります。その結果、顧客満足度の向上やリピーターの獲得につながり、LTV(顧客生涯価値)の最大化も期待できます。また、CRMツールを活用することで業務全体の効率化や、継続的かつ効果的なマーケティング活動も進めやすくなります。最終的には、売上や利益の安定的な拡大にも寄与します。
LTV(顧客生涯価値)について詳しく知りたい方は「LTVとは」をご覧ください。
代表的なCRMツール
代表的なCRMツールには、まずSalesforce Sales Cloudがあります。世界的なシェアを持つこのツールは、営業支援機能が充実している点が特徴です。営業プロセスの効率化や顧客データ管理を強化したい企業、新規顧客の開拓や業績向上を目指す企業に適しています。
Zoho CRMは、多様な業務アプリケーションとの連携が可能な利便性の高さが強みです。社内システムとの連携や業務の自動化がしやすいため、柔軟な運用を求める企業に適しています。HubSpot Sales Hubは、多国籍企業だけでなく日本企業でも広く利用されています。特に導入実績が豊富な点や無料プランが用意されている点が、初めてCRMツールを導入する企業にとって大きな魅力ですし、サイボウズが提供するkintoneは、日本国内での導入例が多いツールです。日本企業のワークフローやニーズに合わせやすく、高い評価を得ています。
それぞれのCRMツールには異なる機能や特徴があるため、自社の目的や業務内容、規模に合わせて最適なツールを選ぶことが大切です。
CRM(顧客関係管理)が生まれた背景・経緯とは?
CRM(顧客関係管理)が生まれた背景・経緯について、詳しく解説します。
顧客ニーズの多様化
現代においては、顧客ニーズが非常に多様化しており、企業はこの動きに対応するため、製品やサービスのラインアップ拡充に積極的に取り組むようになっています。例えば、サブスクリプション型の動画配信や音楽配信、さらにファッション分野などにおいて、これまでになかった様々な新サービスが登場してきました。
こうした状況下で、消費者は自ら情報を探し、主体的に商品やサービスを選択するようになりました。その結果、従来主流であったマスマーケティングの手法だけでは、顧客一人ひとりのニーズに十分に応えることが難しくなっています。
こうした動向から、企業は顧客一人ひとりの属性や嗜好に合わせたOne to Oneマーケティングなど、よりパーソナルなアプローチを重視するようになりました。また、顧客データを継続的に収集・管理し、その情報を有効に活用することで、企業の競争力を強化することが重要になっています。
コスト削減と業務効率化
顧客情報を一元的に管理することで、業務効率化やコスト削減の必要性が高まり、CRM(顧客関係管理)の導入が進みました。CRMツールを活用すると、必要なデータを素早く抽出できるため、人的ミスが減り、作業効率も大きく向上します。
さらに、メール配信や広告運用などの機能をCRMツール内で連携させることで、施策の設計から実行までを一貫して進められる体制が整います。このような仕組みを導入した結果、従来発生していた無駄な業務やコストが削減され、より一層の業務効率化が実現できるようになりました。
CRMツールの代表的な機能
CRMツールの代表的な機能について、詳しく解説します。
顧客情報管理
氏名や連絡先、商談履歴、購入データなど、顧客に関する様々な情報をまとめて記録・管理します。担当者や決裁者、問い合わせ内容、過去のやり取りの履歴まで詳細に管理できるため、顧客との関係性を全体的に把握しやすくなります。
蓄積したデータを分析することで、顧客ごとに最適なアプローチを検討でき、営業活動やマーケティング施策の効果を高めることも可能です。企業の業務内容や目的に応じて管理項目を柔軟にカスタマイズできる点も大きな強みです。顧客情報を正確に管理することは、信頼の獲得や顧客満足度の向上にもつながります。
リード抽出
登録した顧客データから、あらかじめ設定した条件に合う見込み客(リード)を抽出できます。営業やマーケティング部門は、この仕組みを利用することで、アプローチ先を効率的に選定できます。例えば、年齢・購買履歴・職種など、複数の条件を自由に組み合わせて、ターゲット層を細かく絞り込むことが可能です。
また、「資料請求後1週間反応がない顧客」といった複雑な条件でも柔軟に抽出することができます。そのため、多様なアプローチ先を的確に選ぶことができる点も大きな特徴です。このように、営業やマーケティング業務の精度や成果を高めることが期待できます。
営業活動管理
顧客と営業担当者のやりとりを詳しく記録し、資料送付や訪問、問い合わせなどの活動履歴をまとめて管理できます。行動記録を蓄積することで、営業戦略の見直しや改善に役立てることができます。また、情報を担当者同士で簡単に共有できるため、次に取るべきアクションを判断しやすくなります。これにより、業務効率も大きく向上します。
商談管理
商談ごとの内容や進捗、受注確度などの情報を一括で管理できます。見積書や競合の情報もひも付けて登録できるため、各商談の状況を時系列で分かりやすく把握できます。進捗や結果データを分析することで、営業プロセスの改善や失注要因の把握が容易になります。これらの情報を活用することで、営業現場で迅速かつ的確な判断や予測が可能となり、生産性の向上も期待できます。
問い合わせ管理
電話、メール、チャットなど、様々な窓口から寄せられるお問い合わせを一つにまとめて記録・管理します。これにより、顧客対応履歴を一覧で確認でき、二重対応や情報の食い違いといったトラブルを防げます。
部門間での情報共有もスムーズになり、担当者は過去のお問い合わせ内容や顧客情報をすぐに確認できます。そのため、顧客ごとに正確かつ迅速な対応が可能です。仕組みを活用することで、顧客満足度やリピート率の向上、業務効率や収益性の改善といった成果につながります。最終的には、企業の顧客対応力や業績の強化に直接貢献するといえます。
配信機能
メールやSNSなど、複数のチャネルを使って顧客に自動でメッセージを配信できます。顧客の属性や行動履歴に合わせて内容を最適化できるため、パーソナライズされた情報を届けやすくなります。この仕組みにより、購入の促進やリピート獲得に効果が期待できます。
メールの開封率やクリック率などの数値を計測し、得られたデータをもとに配信施策の成果を分析できます。分析結果を活用することで、次回以降の施策をより効果的に改善できます。
一部の製品は既存のメールソフトやSNSとスムーズに連携でき、配信業務の効率化が見込めます。また、操作が簡単で特別な研修が不要な場合も多く、現場ですぐに導入・運用しやすいことも大きなメリットです。
フォローアップ機能
顧客の行動履歴や状況に応じて、最適なタイミングで自動的にアプローチできるフォローアップ機能があります。例えば、セミナーの参加状況を管理したり、メールを自動送信することで、企業は顧客と長期的な関係を築くことが可能です。
さらに、優良顧客の抽出や特別なキャンペーン案内の配信にも利用できます。これらの機能によって、顧客ごとに適切な対応ができることが大きなメリットです。
ワークフロー機能
ワークフロー機能は、業務プロセスの自動化を実現し、作業効率の向上やリソースの削減に寄与します。業務の流れを可視化することで、関係者全体が進捗や課題を把握しやすい環境を作れます。また、タスクの作成や担当者への割り当て、申請から承認までの一連の作業を一元管理することにより、手続きが複雑になりがちな業務の煩雑さを軽減できます。
加えて、商談進捗の管理やリマインダーによる自動通知機能を活用することで重要な作業の抜け漏れを防止できます。さらに、活動報告や承認に関するルール設定も柔軟に行えるため、実際の運用現場で定着しやすく、業務の効率化を一層促進できる点も大きな特徴です。
データ分析
蓄積した取引データや顧客情報を活用し、現状の把握や傾向の分析を行うことができます。例えばRFM分析を使うと、「最終購入日」「購入頻度」「累計購入金額」などの指標から、顧客ごとの優良度や購買傾向を評価できます。優良顧客の抽出も可能です。分析した結果はレポートとして分かりやすく可視化されるため、マーケティングや営業施策の見直しや新たな施策の設計・実行に役立ちます。状況が変化した際にも、施策を柔軟かつ迅速に見直すことができます。
さらに、CRMツールで導き出したインサイトと外部データを組み合わせて検証・拡張することで、施策の精度向上やROI(投資対効果)の最大化を目指せます。例えば、1億超(※)の楽天IDに基づく実行動データを活用できる「Rakuten Marketing Platform(RMP)」と連携する方法があります。この仕組みを使えば、オンライン/オフライン双方の行動データを一元的に分析でき、フルファネルでの効果検証を行えます。
興味をお持ちの方は、こちらからお問い合わせください。
Rakuten Marketing Platform(RMP)に関するお問い合わせ
CRMツールのメリット
CRMツールのメリットについて、詳しく解説します。
顧客情報の一元管理
エクセルや名刺管理、請求管理などで分散していた顧客情報を、CRMツールを使えば一カ所でまとめて管理できます。情報が整理されることで、必要なデータの検索や更新、関係者との共有がスムーズに行えるようになります。
部署や拠点をまたいだデータアクセスも容易になり、顧客情報の引き継ぎや進捗状況の共有も円滑に行えます。その結果、対応漏れや情報の重複、入力ミスなどのトラブルを防ぐことができ、業務の効率化にも大きく貢献します。
優良顧客の創出
新規顧客を獲得するには、既存顧客を維持する場合と比べて約5倍のコストがかかるといわれています。そのため、限られたリソースで効率的に売上を伸ばすためには、既存顧客に対してクロスセル(関連商品の提案)やアップセル(より高額な商品の提案)を行うことが有効です。
顧客ごとの購買履歴やコミュニケーションの履歴をCRMツールでまとめて管理・分析することで、顧客の状況やニーズに合わせて適切なタイミングでアプローチできるようになります。成約後もデータをもとにきめ細かな提案が可能となり、アップセルやクロスセルの成功率が向上します。無駄な営業活動を減らしつつ顧客満足度を高めることができるため、リピーターや優良顧客の育成につながります。
リアルタイムな情報共有
顧客データをリアルタイムで一元管理・共有することで、営業やマーケティング、カスタマーサポートなど各部門が常に最新の情報をすぐに活用できます。入力作業が適切に行われていれば、全社員が正確な顧客状況を把握でき、情報の行き違いを防ぐことができます。その結果、対応漏れや重複対応といったミスも減らせます。
営業部門では、迅速できめ細かなサポートを提供しやすくなります。マーケティング部門では、最新データに基づく具体的で明確な顧客分析が可能となり、ターゲットへの効果的なフォローアップにつながります。お問い合わせ対応の現場では、顧客の過去の履歴やクレーム内容をすぐに確認できるため、より的確な対応が可能になります。
データドリブンな意思決定
購買履歴や顧客の行動パターンなどのデータを集めて分析することで、経験や勘に頼らない意思決定ができるようになります。こうした情報をもとに最適なアプローチを判断し、それぞれの顧客が持つ潜在的なニーズに合わせて施策を設計できるのが特徴です。
また、コミュニケーションの質もデータを活用して改善しやすくなり、コンバージョン率や顧客エンゲージメントの向上が期待できます。さらに、顧客からのフィードバックも数値として把握・分析できるため、製品開発や新しい企画の立案にも活かせます。これらの取り組みを積み重ねることで、企業は競争力を維持し、継続的な成長が可能になります。
部門横断の連携強化
顧客情報や営業ノウハウを部門間で共有し、情報を一元管理することで、業務が特定の担当者に依存しにくくなります。その結果、問い合わせへの対応が迅速になり、開発部門など他部門への支援もスムーズに行えます。組織全体のパフォーマンス向上や、部門間の協力体制の強化が期待できます。
CRMツールの注意点
CRMツールにはいくつか注意点も存在します。正しく理解した上で、取り組んでいきましょう。
導入してからが重要
導入の目的を明確にし、関係者全員で運用方針や役割、手順を事前に共有しておくことで、認識のズレを防げます。顧客情報に変更や追加があった際は、速やかにデータを入力し、常に最新の情報を担当者が分析や施策に活用できるような体制を整えましょう。
さらに、入力項目は必要なものだけに絞ることで、担当者の負担を最小限に抑えられます。これにより、現場での運用定着や業務効率化、スムーズな活用につながります。
運用体制の構築
業務フローやマニュアルをしっかり構築することが大切です。運用を円滑に行うためには、担当者や専門部署を設けて、社内の連携を強化する必要があります。また、既存の業務との整合性を保ちながら、自社に適したCRMツールを選定することも重要です。選定の際は、現場からの意見や実際の業務フローを確認し、慎重に検討しましょう。
成果創出までのリードタイム
施策を始めてもすぐに成果が出ることは少ないため、効果を測定し、必要に応じて見直しを続けることが重要です。中長期的な視点で段階的な目標を設定し、運用体制の改善を重ねて継続的に取り組むことで、最終的な成果へとつなげることができます。
コスト負担
システムの選択によって、コスト構造は大きく変わります。オンプレミス型の場合は、自社にサーバーを設置する必要があり、サーバー本体の購入費や設置工事費、設置スペースの確保など、初期投資が大きくなります。システム保守やハードウェアの管理、セキュリティ対策など、日々の維持費も発生し続けます。
一方、クラウド型は物理サーバーが不要なため、初期費用を抑えやすい点が特徴です。ただし、月額利用料や利用状況に応じたオプション追加費用など、ランニングコストが継続して発生します。
どちらの方式でも、導入前に料金体系や従量課金の内容、必要なオプションを十分に確認し、自社の予算や長期的な運用計画と照らし合わせて、無理のないシステム選びを心がけることが重要です。これによりコストに関するトラブルを防ぐことができます。
CRMツールと関連ツールとの違い
CRMツールと混同されがちなツールに、SFA(営業支援システム)、MA(マーケティングオートメーション)、ERPがあります。それぞれとの違いについて、詳しく解説します。
| ツール | 主な目的・役割 |
|---|---|
| CRM | 顧客情報を一元管理し、継続的な関係構築・フォローを行う |
| SFA | 営業活動の見える化・効率化、商談・案件進捗管理 |
| MA | 見込み顧客(リード)の獲得・育成とマーケ業務の自動化 |
| ERP | 販売・人事・生産・会計など、企業の基幹業務を統合管理 |
SFAとの違い
SFA(営業支援システム)は、営業活動の見える化や効率化に特化したツールです。主な機能としては、商談履歴や案件の進捗管理、営業ノウハウの共有などがあります。さらに、部署ごとに売上予測や目標管理も簡単に行うことができます。
一方、CRMツールは顧客情報を一元的に管理し、顧客との継続的な関係構築を重視しています。顧客とのやり取りの履歴や状況を記録し、それらを活用することで、長期的な関係維持を目指します。
SFAは営業活動の支援、CRMツールは顧客管理と、それぞれの役割や活用範囲が異なります。自社の目的に合わせて使い分けることが、ツール選定や運用方針を決める際に重要です。
MAとの違い
MA(マーケティングオートメーション)は、見込み顧客の獲得や育成、そしてマーケティング業務の自動化を目的としたツールです。Webサイト訪問者の属性や行動データをもとに、自動で最適な広告配信やダイレクトメールの送信を行います。MAは購買意欲が高い顧客を特定し、営業部門へ引き継ぐ役割も持っています。新規顧客の開拓やリードの育成に主に活用される点が特徴です。
一方、CRMツールは顧客情報の一元管理を行い、既存顧客との関係構築や継続的なフォローアップ、サポートの強化を目的としたツールです。
MAは新規リードの獲得や育成など導入初期の段階で利用されるのに対し、CRMツールは既存顧客の長期的な管理や信頼関係の構築に使われます。目的や利用するタイミングが異なるため、自社の課題やフェーズに応じて適切に使い分けることが重要です。
MA(マーケティングオートメーション)について詳しく知りたい方は「マーケティングオートメーション」をご覧ください。
ERPとの違い
ERPは、企業の基幹業務を一元的に管理し、経営資源を効率よく活用するための統合システムです。販売や人事、生産、財務会計、在庫管理など、多岐にわたる業務領域をまとめて管理します。これにより、全社的な業務の最適化や部門ごとの連携強化が可能になります。
一方、CRMツールは顧客情報を管理し、顧客との関係性を強化することを目的としたツールです。主に営業やマーケティング部門に向けて、顧客との接点に関する機能が充実しています。顧客との関係構築や営業活動、マーケティング施策の支援に特化しています。
このように、ERPとCRMツールは導入の目的や管理する対象、対応する機能の範囲が異なっています。両者は明確に区別できるシステムです。
CRMツールの選び方
CRMツールの選び方について、詳しく解説します。
システム形態
システム形態には「クラウド型」と「オンプレミス型」の2種類があります。
クラウド型は、インターネットを通じてサービスを利用する方式です。初期費用や投資が比較的少なく、短期間で導入や運用を始めやすい点が特徴です。場所や端末を選ばずアクセスできるため、リモートワークや外出先からも柔軟に利用できます。さらに、最新機能が自動で追加され、ベンダーからのサポートも受けられる点がメリットです。標準機能だけでなく、拡張機能への対応や一部のカスタマイズが可能なサービスも増えています。その一方で、自社特有の業務フローや高度な仕様変更には対応が難しい場合があります。
オンプレミス型は、自社でサーバーやソフトウェアを設置・管理する方式です。自社の業務プロセスや細かな要件に合わせて柔軟にカスタマイズできるのが強みです。セキュリティ面や自社での運用体制を重視する企業に向いています。ただし、導入にはIT担当者や専門知識、十分なリソースが必要です。また、初期投資や構築にかかるコストや期間が大きくなる点には注意が必要です。
自社の運用体制やセキュリティ要件、将来的なシステム拡張の必要性のほか、コストや導入期間も考慮して、最適なシステム形態を総合的に検討することが重要です。
機能要件
自社の目標や業務内容に合った機能が十分に備わっているかを導入前に確認してください。例えば、メール配信やLINE配信、アンケート作成など、実際の業務で必要な機能が搭載されているかをチェックすることが重要です。
導入目的に合わないツールを選ぶと、現場でミスマッチが発生したり、業務効率が低下したりする可能性があります。必要な機能を見極めて選定すれば、こうしたトラブルを未然に防げます。
外部連携の拡張性
SFAやMA、ERPなどの業務システムと連携できるCRMツールを選ぶことで、管理できる業務範囲が広がります。さらに、Gmailやカレンダーアプリと連携することで、情報の入力やスケジュール管理にかかる手間を減らすことができます。日常業務の効率が上がり、運用もしやすくなります。
外部連携機能が充実していると、営業やマーケティング部門の業務を一括して管理しやすくなります。部門をまたいだ情報共有や連携もスムーズに行えます。将来的な事業拡大も見据え、外部サービスとの連携に柔軟性があるツールを選ぶことが重要です。
サポート体制
サポート体制には、電話やメールでの問い合わせ対応だけでなく、ユーザー向けセミナーの開催など、ベンダーごとに様々な種類があります。
導入時や運用初期には不安が生じやすいため、必要に応じて施策設計や運用の代行まで対応しているベンダーを選ぶと安心です。また、自社の知識レベルや担当者のリソースに合ったサポートが受けられるかどうかも、事前に確認しましょう。
保証期間の有無や問い合わせ時の対応スピードも比較のポイントです。サポート体制の内容はベンダーごとに異なるため、機能や価格だけでなく、自社の要件に合っているかを慎重に検討し、確認することが大切です。
セキュリティ要件の適合性
アクセス権限が担当者ごとに細かく設定できるか確認してください。必要な情報だけにアクセスできる仕組みにより、情報漏えいや誤操作のリスクを減らせます。利用者の操作履歴を記録するログ管理機能も重要です。不正利用やミスが発生した場合、誰が何を行ったのかを追跡しやすくなります。
過去にどのようなセキュリティトラブルが発生し、どのように対応したかが明記されているかも、事前に確認したいポイントです。クラウド型の場合は、不正アクセス対策を含む公式なセキュリティ情報が公開されているか、自社のセキュリティポリシーに合致しているかを必ず確認してください。
CRMツールの導入〜活用までのステップ
CRMツールの導入〜活用までのステップについて、詳しく解説します。
1.目標の設定
自社が目指すゴールを具体的に明確にし、そのうえで現状の課題を洗い出し、数値で測定できる目標を設定します。設定した目標にもとづき、必要な機能や運用のしやすさに注目して、CRMツールを選ぶことが重要です。目標が可視化されることで、進捗や成果を確認しやすくなり、必要な改善にも迅速に対応できるようになります。
2.KPIの設計
KPI(重要業績評価指標)は、事業内容やCRMツール導入の目的に合わせて柔軟に選定することが重要です。営業部門の場合は、新規顧客獲得数や成約件数など、各部門に適した指標を選ぶ必要があります。そのほかにも、顧客数や顧客単価、継続率、NPS(顧客推奨度)なども実用的なKPIとしてよく使われています。
設定したKPIの進捗は定期的に確認し、状況に応じて施策や運用方法を見直すことで、着実に成果につなげることができます。
KPIについて詳しく知りたい方は「kpi とは」をご覧ください。
3.データ入力の設計
データを正確に収集するためには、顧客情報を取得したタイミングでリアルタイムに入力することが重要です。さらに、入力項目や表記ルールを事前に統一しておくことで、入力漏れや誤入力を防ぐことができます。運用ルールを標準化することで、情報の正確な蓄積が可能になり、各種施策の精度向上にもつながります。
4.分析と施策設計
収集した顧客情報を分析し、顧客の傾向やニーズを正確に把握します。分析の結果から、自社が優先的に対応すべきターゲットや、その優先順位を明確にし、最適なアプローチや対応方針を決定します。
把握した課題や目的に応じて、具体的なCRM(顧客関係管理)施策を設計し、実行します。施策の成果やKPIは定期的に確認し、状況の変化や新たな課題が発生した場合には、内容や戦略を柔軟に見直して、継続的に改善を図ります。
5.顧客コミュニケーションの改善
分析結果をもとに、顧客ごとに最適なアプローチを計画します。パーソナライズされた情報発信やコミュニケーションを行うことで、より効果的に顧客との関係を築くことができます。
また、各施策の成果や顧客の反応を把握し、コミュニケーションの方法を定期的に見直すことが重要です。これにより、オムニチャネル戦略の強化や、一人ひとりのニーズに応じた柔軟な対応が可能になります。これらの取り組みによって、顧客との信頼関係が深まり、売上の向上も期待できます。
オムニチャネル戦略について詳しく知りたい方は「オムニチャネル」をご覧ください。
まとめ
CRM(顧客関係管理)は、顧客データを一元管理することで関係を強化して、売上の拡大を目指す戦略です。顧客の属性情報や行動履歴、応対履歴といったデータをCRMツールに集約することで、個々の顧客に最適化された提案やアフターサポートを実現します。
CRMツールの主な機能としては、顧客情報管理をはじめ、商談や営業活動の管理、問い合わせ管理、配信機能、フォローアップ、ワークフロー機能、そしてデータ分析が挙げられます。これらの機能を活用することで業務効率の向上が見込めるだけでなく、顧客満足度の最大化やLTV(顧客生涯価値)の伸長、さらには売上の安定化といった成果にも寄与します。
このようなCRMツールの活用が求められる背景には、顧客ニーズの多様化と新規顧客獲得コストの上昇があり、One to Oneマーケティングの精度が企業競争力を左右するようになっています。CRMツールを効果的に導入・運用するためには、導入前から自社の目的と目標を明確にし、運用ルールを徹底すること、リアルタイムで情報更新を定着させることが欠かせません。加えて、社内体制の整備や教育、KPI設計と効果検証を継続的に行い、PDCAサイクルを回すことが、着実な成果につながります。
CRMツールを選定する際は、クラウド型とオンプレミス型の違い、必要な機能、外部システムとの連携、拡張性、サポート体制、セキュリティなど、多角的な視点で検討が必要です。SFA、MA、ERPなどの関連システムとの役割を整理し、全体最適を図ることも重要です。運用にあたっては、「目標設定」「KPI設計」「入力方法の設計」「分析・施策」「顧客コミュニケーションの改善」といった工程を継続的に繰り返すことが基本です。短期間での成果を過度に期待せず、リードタイムや投資コストを考慮しながら、中長期的な視点で運用を続けることが求められます。
さらに、CRMツールで整えた顧客基盤の価値を最大限に活かすには、実行動データを活用したデータドリブンな施策実行が有効です。そのための選択肢として、「Rakuten Marketing Platform(RMP)」の活用をご検討ください。RMPでは、1億超(※)の楽天IDに基づく1stパーティーデータを活用することで、認知から購買、リピートに至るまでフルファネルで顧客体験を最適化できます。加えて、Cookieレス時代にも実購買データに基づく精度の高いターゲティングや正確な計測が可能です。これにより、CPA(顧客獲得単価)の低下やLTVの最大化に貢献します。
※2025年12月末時点
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