ターゲティングというと、やはりユーザーを絞るわけですが、絞ったときに、100人、1000という量だと、マーケティングとしては意味のないものになります。ターゲッティングをしても、しっかりとリーチする量があること、そしてそのデータの質が、ブラックボックスになっているのではなく、楽天市場での行動結果です、とはっきりと説明できるところも楽天の強みです。
●楽天データの持つ質の強み
ある調査会社さんのデータによると、化粧品での実質のEC化率は20%に迫るところまできているようです。こういった日常接点での情報摂取が非常に大きな購買の決め手になるような業界においても楽天のデータは価値を発揮できると思います。やはり、缶コーヒーを買うときに検索して調べる人などは、ほぼいないですよね?(笑) こういった検索では捉えきれないユーザーを把握しています。
美容コスメジャンル閲覧者などは、わざわざECでその商品を探すわけですから、確実にそのジャンルへの興味関心度が高いでしょうし、商品の価格帯を低単価、中単価、高単価と分類することもできます。これも検索では、なかなかできない方法だと思っています。
もう1つは、購買したものからユーザーの属性を判断できるというものです。子供がいる、という属性は、楽天市場のキッズベビーファッションやおもちゃを買っていること、ランドセルを買っていることなどから判断することができます。他社のターゲティングでは、なかなか子供がいるという属性はない場合が多いので、これも楽天の強みです。
同様に、ペット用品を購買していることで、ペットオーナーということが分かります。これは、ターゲティングする上では大事なことで、きちんと「買える」人にアプローチができないといけないということです。つまり、猫がすごく好きなんだけど、今、住んでいるマンションはペット禁止です、というユーザーは、猫に関心はあるけれど、購買ターゲットにはならない、ということです。(長期的にはあるかもしれませんが)
カー用品を買っている人なら確実に自動車所有層ですし、また、スポーツメーカーさんにとってみれば、サッカーを見るのが好きな人ではなくて、プレイヤーとしてサッカーを好きな人にアプローチしたい、というようなニーズも、楽天市場のデータならお応えすることができると思います。
3つ目に、バレンタイン、ホワイトデー、お中元、お歳暮、父の日、母の日、敬老の日、ハロウィン、クリスマスといった催事ごと、イベントに強いのも楽天の特徴です。お中元、お歳暮は毎年の習慣にしている人も多いので、過去にお中元、お歳暮を贈った人をセグメントすることができます。
●デモグラフィックデータにも強み
また、忘れてはならないのが性別・年齢といったデモグラフィックデータの精度の高さです。我々は推定や拡張などは一切使っておらず、ユーザーが自ら入力した登録情報をそのまま使っています。
デモグラフィックのデータを正確にもっているWEBの会社は意外と少ないです。男性、女性の区別だけならまだしも、女性20代、30代のような違いはWEB上の行動履歴や検索だけでは正確に出すことができないため、やはり登録情報の精度が非常に高いといえます。
推定や拡張を使っていないのは、楽天市場の閲覧購買データも同じです。ユーザーのセグメントの精度が高いため、訴求ポイントの違うバナーを使って、どのユーザーが響いたかを見ることで、ユーザーのペルソナを作り上げる、というようなこともできるかと思います。
データは、量、質があったとしても、ただ持っているだけでは意味がありません。プッシュ型でアプローチできるようになっていないとマーケティングとしては使えません。そのために、WEB上でのクッキーやIDを持っていることが必要になってきます。
次回は、楽天のデータを使って、どのようなマーケティングアプローチが可能なのかについて、ご紹介をしていきたいと思います。