ニュージーランド大使館
「KIA ORA NEW ZEALAND(キアオラ・ニュージーランド)」キャンペーンにおける同国製品の認知向上と販売促進<前編>
- 認知
- 興味関心
- 購買
- リピート・ファン化
ニュージーランド大使館
ニュージーランド大使館
商務部 参事官
クレイグ・ペティグルー氏
ニュージーランド大使館
商務部 商務官
磯村 真理絵氏
楽天グループ株式会社
広告営業統括部 営業部
パブリックアカウント営業課
ウィン・マイク
楽天グループ株式会社
広告営業統括部 営業部
パブリックアカウント営業課
土屋 佑太
※広告商品名「RMP - Sales Expansion」は取材時の名称です。2024年7月より「Sales Expansion」へ変更となりました。
― 今回の施策内容について教えてください
ペティグルー氏:ニュージーランド産の食品及び飲料商品の認知や、需要を高める目的で2021年3月から1年間、「楽天市場」内に「KIA ORA NEW ZEALAND(キアオラ・ニュージーランド)」というニュージーランドフェア特設ページを展開しました。
※「キアオラ」は、親愛の挨拶。「こんにちは」の代わりにも使われますが、もともとはマオリ語で「生きている」という意味。相手への健やかな日々を願う気持ちまで込めた温かい言葉です。
ニュージーランド大使館商務部は、日本など主要な輸出市場向けに「Made with Care (思いやりで、できている。)」というグローバルキャンペーンを2020年より展開しており、ニュージーランド製品の品質の高さや安全性、そして人や社会、環境へ配慮した「エシカル」であることを伝えています。これを元に日本でのキャンペーンページとして開設されたのが、「楽天市場」で実際にご購入いただけるクーポン付きプロモーションページ「KIA ORA NEW ZEALAND」です。
― プロモーションを行った背景と目的はどのようなものでしたか?
ペティグルー氏:大きな背景としては、コロナ禍による海外旅行者の減少により日本国内で海外製品のニーズが高まったこと、日本国内でeコマースの需要が増えたことです。しかし2020年の時点でeコマースに取り組んでいるニュージーランドの企業は少なく、取り組んでいたとしても商品情報が古く、商品を伝えるストーリーも不十分だと感じました。
今回のプロモーションの目的は二つあります。一つ目はニュージーランド商品の認知度を上げること。二つ目はニュージーランドの企業が日本でのeコマースのノウハウを獲得することです。
― 施策を実施するにあたって、楽天グループを選ばれたポイントは?
ペティグルー氏:「楽天市場」が日本最大のインターネット通販サイトであることはもちろんですが、それ以上に商品のストーリーを伝えられると思ったからです。単純に商品を並べて売るだけでなくニュージーランド商品の魅力や優位性、そして価値観を伝えるためには楽天グループが良いと考えました。
― 今回の施策の対象商品について教えてください
磯村氏:「RMP - Direct Message(DM)」、「RMP - Premium AD」、「RMP - Sales Expansion」それぞれで実施した施策対象となる商品の85%が、蜂蜜、肉、乳製品、チョコレートなどの食品です。
「RMP - Direct Message(DM)」では25~65歳の女性をボリュームゾーンと仮定し、「海外に興味がある」など掛け合わせを調整しながら進めました。後半はブランディングからパフォーマンスにシフトして、セールスが上がっていない会社さんに焦点を合わせるなどの調整もしました。
ウィン:以前から「楽天市場」でお取り扱いしているニュージーランドの商品データを活用して、どのような訴求できそうかを分析しながら進めました。データをうまく使い分けることで施策期間の前半でしっかりリーチを獲得し、後半でセールスを上げていく動きにシフトすることができました。
また、広告に関するバイアスに振り回されないようにしっかりデータ分析し判断しました。例を挙げると、一般的にワイン購買者は女性が多いイメージですが、データを見てみると男性にも購買者は多いです。逆に肉は男性に好まれる印象がありますが、データからは女性にも好まれていることが読み取ることができます。
土屋:「RMP - Direct Message(DM)」と「RMP - Premium AD」ではターゲティングをチューニングしながら進めていくという前提でスタートしました。「RMP - Sales Expansion」は検索画面の最上位に出る広告ですので商品の認知も高まりやすく、購買に繋がりやすいです。それぞれのタイミングでターゲットに合わせて広告を切り替えることで、特に蜂蜜の売上は大きく変わりました。
― 施策を実施する前はどのような期待がありましたか?
ペティグルー氏:ニュージーランド政府がグローバルキャンペーン「Made with Care」を展開していくために選んだ5つのマーケットの1つが日本です。オンラインでキャンペーンをやるならeコマースのチャネルもあった方がいいということで今回の施策を実施しました。また、日本に来ることができないニュージーランドの企業にもっとeコマースを活用してほしいという期待もありました。
グローバルキャンペーンである「Made with Care」のウェブサイトはBtoB向けに作られていますが、「KIA ORA NEW ZEALAND」のLPはBtoCを意識し、日本の消費者に伝わりやすいクリエイティブを重要視しました。
磯村氏:「KIA ORA NEW ZEALAND」のLPがいかに潜在顧客に届くか、そして消費者の気持ちをどう動かしてくれるかという期待があり、ロゴも新しく作りました。
ウィン:商品のストーリーを伝えられるのが楽天の魅力の一つですので「KIA ORA NEW ZEALAND」のLPでは、ニュージーランド自体の魅力を伝えるコンテンツを上部に持ってきて、商品の陳列は下部に設置するなどの工夫をしました。
磯村氏:入り口が商品そのものではなく、商品がどういう場所でどういう風に作られているかを伝えるために、ニュージーランドのキーパーソンたちに語っていただきました。ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相からもメッセージをいただくことができたことは非常によかったです。
ウィン:これまでパートナー店舗のニュージーランド商品に対するブランディングやメッセージが不足していたので、「KIA ORA NEW ZEALAND」のLPを共有することがニュージーランドの輸出業者と日本のパートナー店舗のコミュニケーションになり、LPを使うことでニュージーランドや商品のブランディングにもなったと思います。
― 今回、初めて楽天グループの施策を実施されたわけですが、導入前に懸念はありましたか?
ペティグルー氏:国の予算ですのできちんと論理的なプランを立てる必要がありました。そのためにデータや事例を挙げつつ担当のウィンさんにはいろいろな人に会ってもらい話してもらいました。
その中でも特に、ニュージーランドの輸出業者と日本のパートナー店舗向けに楽天様が実施したeコマースのセミナーは感触がよかったです。両者共にアンケートでの満足度が満点に近いほど高いものでした。ウィンさんがランダムな質問にも真摯に答えてくださったので説得力があり、今回の施策が自分たちのためにあるという気持ちになったと思います。 初めての取り組みでしたので最初のハードルは高く少し時間はかかりましたが、その分奥深くeコマースの勉強させてもらったと感じています。この経験は私たちの財産になりました。
磯村氏:ニュージーランドの企業や日本の店舗運用者などの、さまざまなステークホルダーをどう巻き込むかがチャレンジであり、たくさんの学びがありました。
実際にやってみると常時商品の入れ替えが発生するなど運用も大変でしたが、異なる場所にいる人たちにいかに同じモチベーションで動いてもらうか、理解してもらえるかは今もまだチャレンジしています。
ペティグルー氏:私たちは「Adventure teaches us(やってみよう)」という精神を大切にしています。今回の取り組みは私たちにとってはまさにこの言葉通りでした。これに対して柔軟でスピーディーに対応してくれた楽天様には感謝しています。
※広告商品名「RMP - Sales Expansion」は取材時の名称です。2024年7月より「Sales Expansion」へ変更となりました。詳しくは下記をご覧ください。
「KIA ORA NEW ZEALAND(キアオラ・ニュージーランド)」キャンペーンにおける同国製品の認知向上と販売促進
<前編>
株式会社読売広告社
日能研本部
日清オイリオグループ株式会社