楽天グループ広告トラフィック品質確保ポリシー
(目的)
第1条 楽天グループ広告トラフィック品質確保ポリシー(以下「本ポリシー」という。)は、楽天グループ株式会社(以下「当社」という。)が運営する当社媒体、又は当社が広告配信事業者として取り扱う広告を掲載する当社以外の媒体(以下、総称して「広告掲載先」という。)への広告配信における無効なトラフィックを排除し、広告関連取引の信頼性を確保するとともに、不正な第三者への広告費の流出を防ぎ、広告市場の健全性を維持するための基本方針を定める。
(定義)
第2条 本ポリシーにおいて、次の各号に掲げる用語の定義は、当該各号に定めるところによる。
(1)「無効トラフィック排除」
無効と判定されたトラフィックが最終的な広告配信後のレポーティングにおいてインプレッション、クリック等の成果の測定値から除外されることをいう。
(2)「当社媒体」
当社が所有・運営するウェブサイトやアプリケーション等のインターネットのメディアであり、情報やサービスを提供し、メディア内に設けた広告枠を販売して広告掲載による収益を目的としている媒体をいう。
(3)「広告配信事業者」
複数の広告関連事業者と連携して広告配信ネットワークを組み、広告の販売や広告主が出稿する広告の配信をする事業者をいう。
(4)「広告関連事業者」
広告主を除く、広告会社、DSP(デマンド・サイド・プラットフォーム)事業者、SSP(サプライ・サイド・プラットフォーム)事業者、アドネットワーク事業者、アドエクスチェンジ事業者、媒体事業者、配信・計測事業者(無効トラフィックに関する検知、計測、除外等を目的としたシステム、サービスを提供する事業者等)等、広告の配信や販売に関わる事業者をいう。
(広告トラフィックの品質確保)
第3条 当社は、広告掲載先への広告トラフィックの品質を確保するため、以下の無効トラフィックの排除に努める。これらに該当する事例は別表「無効トラフィックの類型」に記載のとおりとする。
(1)無効なトラフィック/Invalid Traffic(IVT)
広告配信の品質の観点で広告の成果の測定値に含めるべきではないトラフィック。検索エンジンのクローラーのようなプログラムによる悪意のないトラフィックと、作為的にインプレッションやクリックを発生させる悪意のある不正なトラフィックがある。
(2)一般的な無効なトラフィック/General Invalid Traffic(GIVT)
既知のデータセンタートラフィックや検索エンジンのクローラー等、リストの適用又は、その他の標準化されたパラメータチェックにより実行される、定型のフィルタリングで識別可能なトラフィック。
(3)悪意のある無効なトラフィック/Sophisticated Invalid Traffic(SIVT)
人によるトラフィックであるかのように偽装しているものなど、様々な種類の無効なトラフィック。不正に広告費を詐取することを目的としたアドフラウド(Ad Fraud)によって生じるトラフィックも含む。
2 当社は、広告業界のルールやガイドラインを踏まえ、自らの事業やサービスの特性に応じた技術的手段や必要な管理体制を構築する等、インターネット広告ビジネスを取り巻く環境の変化に応じて柔軟かつ機動的に対応しながら様々な対策を講じるものとする。
3 当社は、当社以外の広告関連事業者との契約締結時若しくは個別契約締結時又は広告掲載開始後の運用中等、広告関連事業の関係者間で必要に応じて前項の対策を確認するよう努める。
(情報の利用)
第4条 当社は、第1条に定める目的のために、規制当局、関係団体、民間団体等から提供される情報を積極的に活用する。
(本ポリシーの見直し)
第5条 当社は、本ポリシーを、法令等の変更への対応の必要性及び事業上の必要性等に応じて見直しを行うものとする。
2021年11月1日制定
(別表)
無効トラフィックの類型
無効トラフィックの類型として、主に以下のようなものがあげられる。ただし、これらには該当しない他の類型が発生する可能性もあるため、これらに留まるものではない。
一般的な無効なトラフィック(GIVT)
カテゴリ | 定義 | 例 |
---|---|---|
データ センター | データセンターのサーバーからの広告トラフィックで、その IP アドレスが無効なアクティビティ(通常、非人為的なトラフィック)と関連しているもの。 | 既知のデータセンターIP |
既知のクローラー | コンテンツをリクエストし、さまざまな識別メカニズムで自らを非人為的であると宣言するプログラム又は自動化スクリプト。 | WEBクローラー、(スパイダー、ボットなどとも呼ばれている) 、サーチエンジンクローラー |
不規則なパターン | 非開示の自動再読み込みトラフィックや重複クリックなど、既知の不規則なパターンに関連した、1 つ以上の属性(例えば、ユーザーの Cookie)を含む広告トラフィック。 | 自動反復させているトラフィック、広告の自動再読み込み、重複又は期限切れのクリック |
悪意のある無効なトラフィック(SIVT)
カテゴリ | 定義 | 例 |
---|---|---|
自動ブラウジング | 主にボットネットなど、ユーザーの関与なく、かつクローラーであることを宣言することなく、ウェブコンテンツ(デジタル広告を含む)をリクエストするプログラム又は自動化スクリプト。 | ボットネット |
虚偽の表示 | 実際と異なる広告インベントリのリクエスト。実際の広告が異なるウェブサイトやアプリケーション、デバイス、又はその他のターゲット(地域など)に表示されている広告リクエストなど。 | 計測なりすまし、ドメインなりすまし、実在するユーザーのデバイスに偽装したエミュレータ、パラメータの不整合(トランザクションやブラウザ/エージェントパラメータの不一致) |
紛らわしいユーザーインターフェース | ウェブページ、アプリケーション、又はその他の視覚的要素を変更し、1 つ以上の広告を不正に含むようにしたもの。ユーザーには見えないように広告をレンダリングしたり、パブリッシャーの同意なしに広告挿入したり 、ユーザーを騙して広告をクリックさせたりすることが含まれます。 | 広告スタッキング、広告の非表示 、クリックジャッキング、ポップアンダー |
操作されたビヘイビア | 意図しないクリック、予期せぬコンバージョン、不正なアトリビューションなど、ユーザーの同意なしに広告インタラクションを誘発するブラウザ、アプリケーション、又はその他のプログラム。 | アトリビューション操作、偶発的なトラフィック、強制的な新規ウィンドウの表示、モバイルアプリケーションの強制的なインストール |
インセンティブの秘密利用 | 金銭的又はその他のインセンティブを無効かつ非公開に利用することでユーザーに 1 つ以上の広告を操作させる行為。既知又は取引する第三者に適切に開示されているインセンティブによる取引は含まれません。 | クリック ファーム、報酬型のクリック |
その他の分類 | 既知のどのカテゴリにも分類することができない、又は開示できない機密性の高い無効なトラフィック。 | 特定のカテゴリに分類できないトラフィック、分類を開示できない機密性の高い無効なトラフィックなど |
以上