楽天の広告ビジネスの、これまでとこれから
今、楽天は本気で広告に取り組んでいます。そして、本気で広告プラットフォームを作ろうとしています。そんな楽天の広告ビジネスのこれまでとこれから、5G環境での広告配信、パブリッシャーの広告プラットフォームについてお伝えします。
楽天の広告ビジネスの規模をご存知でしょうか。実は数百億と広告ベンダーでは有数の規模なのですが、まだまだ認知度が低いのが現状です。昨年発表された他社さんのアンケート調査では、楽天は「デジタル広告市場をリードしている」において3点、「広告テクノロジーが優れている」で2点と、他のプラットフォーマーと比較して少々残念な結果でした。
理由としては、これまで楽天の広告ビジネスの主流が「楽天市場」の店舗向けの広告だったために一般的に認知が低いという点。また、「RMP - TradingDesk(楽天DSP)」やアドネットワークなどは外部のソリューションを利用しているため、業界に存在感を示すのが難しい、という点が挙げられるかと思います。
現在楽天は、2021年に広告売上2000億円を達成するという大きな目標を掲げています。広告ビジネスを圧倒的に拡大するため、様々な新しいチャレンジを進めているところです。
楽天は、「楽天市場」や「楽天トラベル」、グローバルでは「Rakuten.com」や世界で数億人規模のユーザーを持つ「Rakuten Viber」など、70以上のサービスを展開しています。これらのメディアを使って、グローバルで共通のシステムを用いて強いシナジーが出せるよう、最新の広告プラットフォーム開発を進めています。そのため、国内外からアドテクに精通した人を集め、万全の体制を整えています。
楽天は、数多くの強みを持っています。まず、1億以上の楽天IDに基づく消費行動分析データを蓄積している点。次に、「楽天市場」を始めとした70以上の強力なサービスを広告媒体として活用できる点。そして3番目が、「広告主としての楽天」です。広告主としての楽天は多くの金額をメディアなどに出稿しているので、その予算があります。その予算を自社のプラットフォームに集約し、メディアに対して直接広告配信を行うことで、これまで他社の広告プラットフォームを経由していたことで発生していたマージンを除くことができるようになり、パブリッシャーの皆様により多く広告費を返すことが出来るようになります。また、新たに始める携帯キャリア事業に代表されるような幅広いビジネス展開、アドプラットフォームの開発に精通した多くのエンジニア陣の存在なども挙げられます。
差別化のポイントは、強みをどれだけ持っているかです。その点において、楽天が持つ強みは日本国内ではトップクラス。広告事業では後発ではありますが、今からでも十分に勝つことができると私たちは考えています。