2019年、遂に楽天の広告事業の取扱高が1,000億円を越えました。成長率は前年同期比+16.7%と伸長しています。

 「楽天市場」の出店店舗や「楽天トラベル」の宿泊施設といった、「楽天エコシステム(経済圏)」の内部にいらっしゃる広告主様向け広告の着実な拡大に加え、ここ数年注力を進めているメーカーなど「楽天エコシステム」外部の広告主様向けの広告も、前年同期比+85%と大幅に伸びています。

 この伸長の核となっているのが「楽天ID」です。そして、この「楽天ID」で貯めたり使ったりすることが可能な「楽天ポイント」は、今やオンラインだけでなくオフラインでの利用も拡大しています。ユーザーが「楽天ポイント」を利用することにより、「楽天市場」等のオンライン購買のみならず、スーパーやドラッグストアといった実店舗における購買まで分析できるようになるということです。これにより、どんなユーザーにどの商品がどれくらい売れているのかがわかり、ファクトデータに基づく成長戦略を考えることが可能になります。

 さらに、AIを使った拡張技術である「Rakuten AIris」を用い、1億以上※ の楽天会員とそれに基づく「楽天ID」から拡張ターゲティングをすることも可能です。広告主企業様の、オンライン・オフラインを統合したフルファネルのマーケティングに貢献できると考えています。

 私たちは、楽天グループの広告面のみならず、外部にも膨大な広告在庫を保有しています。これを活用し、楽天のデータを生かして、「楽天エコシステム」の内外において、広告ビジネスの更なる拡大を図っていく所存です。

 さて、先日Googleより、サードパーティークッキーを使ったターゲティングは2年以内に原則廃止する旨の発表がなされました。従来、サードパーティークッキーは匿名データとして扱われていましたが、方法によっては個人を特定できる可能性があり、もはや匿名データとは言えず、プライバシーポリシーに抵触するおそれがある、というのが理由です。

 現在、圧倒的なシェアを持つ「Google Chrome」でサードパーティークッキーが使用できなくなると、非常に大きな影響があるでしょう。現在のデジタルマーケティング、特にディスプレイ広告はサードパーティーに大きく依存しているため、媒体社やデジタル広告の分野でビジネスをしているパブリッシャーの大半が影響を受ける、もしくは収入が減ると、Googleは予測しています。

 いわゆるDSP(Demand Side Platform)やDMP(Data Management Platform)などを使用しているアドテクのプレーヤー、特に自社メディアを持っていない広告代理店にとっては、非常に深刻な問題になると思われます。

 一方私たちは、ファーストパーティークッキーに加え、1億以上 の楽天会員とそれに基づく「楽天ID」があります。つまり、サードパーティーに頼らない膨大なデータを蓄積しているということです。このことは、来るべきクッキーレス時代において、非常に大きなアドバンテージになると考えます。

 さらに、「楽天ID」はクオリティーにおいても別格です。まず、ECベースのIDなので、購入した商品を受け取るために住所情報が正確です。また、「楽天カード」や「楽天ペイ」によるKYC(本人確認手続き)により、年齢や性別といったデモグラフィックデータの精度も極めて高いのが特徴です。その「楽天ID」に、前述したオンラインとオフラインの購買データが蓄積されているわけです。このようなデータは、唯一無二と言えるのではないでしょうか。

 私たちは、この日本最大級の規模と精度の高さを誇る「楽天ID」をベースにした独自のマーケティングソリューションで、引き続き広告主の皆さまのマーケティングに貢献してまいります。是非ご期待ください。


※2019年12月末時点