楽天グループ株式会社アド&マーケティングカンパニーでは、注目が高まるアニメツーリズムの実態を明らかにすべく、「楽天市場のアニメグッズ購買データ」と「楽天トラベルのアニメの聖地宿泊データ」を活用した分析・調査を実施しました。
本調査を通じ、アニメの聖地巡礼とグッズの購買行動の相関性、また「アニメ作品と聖地のエコシステム」の存在が示唆されました。
楽天グループ株式会社アド&マーケティングカンパニーでは、注目が高まるアニメツーリズムの実態を明らかにすべく、「楽天市場のアニメグッズ購買データ」と「楽天トラベルのアニメの聖地宿泊データ」を活用した分析・調査を実施しました。
本調査を通じ、アニメの聖地巡礼とグッズの購買行動の相関性、また「アニメ作品と聖地のエコシステム」の存在が示唆されました。
・分析内容:アニメの聖地巡礼(舞台観光)とグッズの購買行動の相関性分析
・分析対象期間:2016年1月1日から2020年2月29日まで
・分析対象:アニメAのグッズ購買者かつアニメAの舞台(以下「B県C市」)宿泊者
※協力:一般社団法人アニメツーリズム協会
※調査主体:楽天グループ株式会社 アド&マーケティングカンパニー メディア事業
【1】グッズ購入者のC市旅行率は楽天会員平均の20倍以上
楽天会員全体の、B県C市への旅行率を1とした場合、アニメA関連グッズ購入者の旅行率は2018年で27.6倍、2020年は58.5倍であることがわかった。
このことから、アニメ作品の人気向上を推進する事が観光誘客に効果的であることがうかがえる結果となった。
【2】グッズ購買者の舞台(B県)居住率は他都道府県の約2倍
グッズ購買者の居住地を分析したところ、アニメA関連グッズ購入者における舞台(B県)の居住者の割合は他の都道府県と比較して最も高い割合であることがわかった。アニメの舞台であるB県居住者は『地元への愛着』により作品への関心が引き上げられ、結果的に作品のファンとなりグッズを購入する可能性が高いと考えられる。
【3】聖地巡礼後のグッズ購買が想定以上に大きい結果
旅行の前後180日間でグッズの購入者数、購買額を分析した結果「グッズを購買した後に旅行(聖地巡礼)している」という初期仮説に反し、旅行後のみのグッズ購入者と旅行前のみの購入者はほぼ同数であり、購買額についてもほぼ同額であった。
また、旅行前後両方でグッズを購入している割合が人数、購買額共に最も高い結果が出たが、同ユーザーの購買タイミングを見ると旅行前後で大きな開きはなく、聖地観光によりその地域への愛着が醸成された結果、作品愛が強化され旅行後のグッズ購入に繋がったと考えられる。
『アニメ作品と聖地のエコシステム』が存在
アニメ作品は舞台(聖地)となった地域への観光誘客に繋がる事はもちろん、舞台観光(聖地巡礼)は、アニメ作品のコアファン化を進め、グッズの販売増に繋がる可能性が高い。また、『地域への愛着』という下地があるアニメの舞台居住者は、アニメ作品のファンになり易く、グッズを購入する可能性が高い事が発見できた。
以上の結果より、アニメ作品と舞台となった街(聖地)が連携した取り組みを推進する事で、観光誘客とアニメのコアファン獲得(グッズ販売増)の両方で成功を収める事ができる『アニメ作品と聖地のエコシステム』の存在が確認できたと言える。