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新市場である微アルコール領域の購入者傾向について - 分析と考察

 


 楽天グループ株式会社アド&マーケティングカンパニーでは、新たなジャンルとして注目が集まる微アルコール市場について、「『Rakuten Pasha』が蓄積しているレシート購入データ」と「『楽天インサイト』のモニターデータ」を活用した分析を実施しました。

 微アルコール購入者の同時併売傾向・生活意識傾向を分析した本調査を通じ、健康志向の強いユーザーが微アルコールを購入している傾向が確認されました。
*微アルコール:アルコール度数1%以下のアルコール商品の呼称

 

 

分析概要

・分析内容:微アルコール購入者のデモグラ属性、同時併売傾向、生活意識傾向の分析
・分析対象期間:2021年4月1日から2021年7月25日まで
・分析対象:『Rakuten Pasha』の「きょうのレシートキャンペーン」にて送付いただいたレシートにて、微アルコール商材を購入が確認された方、またその中で『楽天インサイト』のモニターの方

※協力:楽天インサイト株式会社
※調査主体:楽天グループ株式会社 アド&マーケティングカンパニー オムニコマース事業部

 

 

分析結果と考察

 

微アルコール購入者出現率

 

【1】男性の購入が多く、また年代が上がるにつれて買われやすい傾向
 微アルコール購入者出現率(『楽天インサイト』のモニターで『Rakuten Pasha』「きょうのレシートキャンペーン」にてレシート送付しているユーザーの内、微アルコール商品を購入したユーザーの割合)の平均を1.00とした場合、性別では男性が1.30と出現率が高く、性年代別でみると、男性・女性ともに年代が上がるにつれて出現率が高まり、特に、男性50代以上では最も高い1.59の出現率を確認した。
 このことから、一般的に飲酒習慣が少ない若年層のみならず、飲酒習慣が定着化している40代・50代以上のユーザーにも微アルコールが購入されている可能性が高いと考えられる。

 

購入回数別での微アルコール購入チャネル

 

【2】男性の初回購入はコンビニの傾向が強い
 『Rakuten Pasha』における「きょうのレシートキャンペーン」にて微アルコール商品を3回以上購入したユーザーに限定して購入チャネルの推移を分析したところ、女性は1回目の購入からスーパーでの購入が多くみられるのに対し、男性では1回目は女性と比較してコンビニでの購入が多く、2回目以降にスーパーでの購入が多くなる傾向を確認した。
 このことから、微アルコール商材におけるトライアル促進チャネルとして、男性にはコンビニが効果的であることがうかがえる。

 

スーパーでの微アルコール購入時の同時併売ジャンル

 

【3】スーパーでの同時併売では、ヨーグルトが上位にランキング
 微アルコール購入時に同時に購入しているジャンルをランキングすると、ヨーグルトジャンルが男性では1位(15.0%)、女性でも2位(14.7%)と高い結果になった。
 また、リキュール類、ビール、ノンアルコールといった関連商材との同時購入も男女ともに高くなっており、飲酒をされている方が、微アルコール・ノンアルコールも併せて購入されていることが確認できた。
 このことから、飲酒習慣のある方の中で、健康に対する意識が高い・関心があるユーザーが、休肝日を設けるような形で、微アルコールを飲んでいる可能性が考えられる。

 

微アルコール購入者の「生活意識」(男性)

 

微アルコール購入者の「生活意識」(女性)

 

【4】生活意識からも、ウォーキング・ジョギング・マラソンなど健康志向が高い
 微アルコール購入者の生活意識について、微アルコールを購入していない非購入者と比較すると、男性においては、「国内旅行(1泊以上)」・「食べ歩き」・「ウォーキング」・「ジョギング・マラソン」といったアクティブな活動に対して意識が高く、また、日本酒やワインなどアルコール度数が高めの「酒」の意識も高い傾向を確認した。
 また、女性においても、男性同様の傾向がみられる一方で、「あたたかな家庭を作りたい」「見た目に関して理想・憧れの姿がある」「ファッション」といった項目での意識が低く、見え方よりもより実利面を好む志向性がある可能性もうかがえる。

 

 

まとめ

微アルコール商品を、飲酒習慣のある40代・50代以上で健康意識の高いユーザー層も購入
 微アルコール商品購入者のデモグラフィックな傾向に加え、「同時併売」といったオフラインでの実際の購入傾向、さらにその背景にある「生活意識」を分析すると、微アルコール商品が開拓対象としている飲酒習慣のない若年層のみならず、40代・50代以上の飲酒習慣が強い世代においても、健康意識の高まりとともに、微アルコール商品が選択されていることが確認できた。

 新規市場の形成初期段階においては、想定しているメインターゲット層に加え、実際にその商品を購入している方のセグメントを確認しながら、マーケティングPDCAを回していくことが効果的と言える。

 


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