AdverTimes DAYS 2013(アドタイ・デイズ)講演Seminar & Event

AdverTimes DAYS

2013年3月13日(水)、14日(木)の二日間にわたって東京国際フォーラムで開催された、
「宣伝会議 AdverTimes DAYS 2013」において講演を行いました。

「宣伝会議 AdverTimes DAYS 2013」とは?
株式会社宣伝会議が主催する、広告界の今と未来を、業種業態の垣根を超えて、また年代の壁を超えて、日々抱える課題を本音で語りつくすイベントです。

【楽天流】デジタルマーケティングの極意!
究極のロイヤリティープログラム

向谷 和男
向谷 和男
楽天株式会社 広告事業 営業促進グループ マネージャー

デジタルマーケティングにおけるテーマや課題は様々ありますが、今回は、楽天での取り組みを「究極のロイヤルティプログラム」と題してお話させて頂きました。
ポイントは次の4つです。

◆「認知・啓蒙」「理解促進・需要喚起」「販売促進」+「関係構築」を
 一元的にプランニングしていくこと(機能や施策、予算配分を含む)
◆中核にCRMシステムを活用した「関係構築エンジン」を持つこと
◆CRMによる継続的な接触量を維持し、データを活用したユーザー区分を作り、コミュニケーションの質を上げること
◆行動喚起を引き起こすインセンティブは独自性も重要ではあるが、
 より大きな経済圏と共有化することで有効性を高めることができる

各領域の区分や目的・役割を整理し、関連性を勘案した継続的な施策が重要だと考えています。

関係構築エンジンはデータを活用したCRM

楽天市場単体の年間流通金額は1兆4,460億円を超えました。これは毎年15~20%弱位の成長を続けていることになります。約40の商品ジャンルと1億点を超える商品数、ユニーク購買者数は3ヶ月で約1,300万UUにのぼり、我々は量と質を併せ持った国内最大級のショッピングデータを保有しこれらを活用してユーザーに対する理解を深めながらCRMを行っています。

ロイヤリティープログラムの実施範囲

1.認知獲得
◎1次接触・・・テレビを中心としたマス媒体や大量リーチ型Web広告
◎2次接触・・・一定のセグメント化されたカテゴライズユーザーとの接触

楽天ではWebを通じたサービスを広く行っているため、消費者需要によって結果的に2次接触が生まれますが、データを活用したWEB広告の展開により、一定規模の2次接触を図ることができ、この1次接触と2次接触の組み合わせが認知力を高めていると考えています。

2.理解促進+関係構築
ターゲットカスタマーの囲い込みと、ポテンシャルカスタマーとの継続的な接点構築

我々はカテゴリごとやサービスごと、会員ランクなどによってユーザーを識別したクラスター別の接触を意識しています。一次接触によって認知を獲得したユーザーと、いかに深い関係を日常的に築いていくかが重要。ただメールを送るのではなくデータを活用したコミュニケーションの設計、仕分けを行うことがポイントです。

・ターゲットカスタマーやポテンシャルカスタマーをDB化することで継続的な接点を構築
・DB化されたユーザーの行動や嗜好性の可視化を通じた消費者理解
・理解に基づくコミュニケーション・施策の検討と実施

データを解釈するということ

データの活用の仕方には大きく2パターンあり、データを解釈せずにそのまま使用するパターンと、解釈を加えて独自の区分を設計するパターンです。

A.データを解釈しない場合(モノとモノによる分析) B.データを解釈する場合(モノからヒトをとらえた分析)

A.コーヒーの購入者にブラウニー(お菓子)の広告を配信
コーヒー(単品)の接点を頼りに、コーヒーの併買商品を紐付けて訴求します。

B.コーヒー&ブラウニーの購入者から嗜好性を想像し、嗜好性に紐付くあらゆる商材訴求やコミュニケーションを図る
「どんなブラウニーか」「どんなコーヒーか」その商品の特徴や特性を、解釈と推測を加えながらクラスタリング、あるいはグループを作ってそのユーザーに向けたコミュニケーションの設計を行います。

我々は目的に応じてそれらを使い分け、性別や年齢などの基本属性よりも、解釈したデータ=ユーザーの「生活価値軸」を基に、その人の価値観や好みに対してコミュニケーションをしかけた方が効果的な場面があると考えています。

行動・購買喚起に必要不可欠なツール「楽天スーパーポイント」

我々は、メールやデータの活用だけでなく、オンラインイベントや販売企画など、サービスの提供や接触機会の構築を続けてきました。あらゆるコミュニケーションの場において、ユーザーアクションの後押しをする、またはベネフィットを作り出すスーパーツールとしての機能を果たしているのが「楽天スーパーポイント」です。

先日、国内のポイントプログラム(1兆円規模のポイント経済圏(でも高いシェアを誇る「楽天スーパーポイント」を実店舗でも利用可能にする、ポイントパートナープログラムを発表しました。
今後、我々は楽天準経済圏を加速して成長させ、オンラインだけではなくオフラインへの拡大で、ユーザーの利便性を高めていきたいと考えています。

<楽天グループ(楽天経済圏)について>
楽天は2012年グループ全体の年間流通総額が3兆円、会員数は8,100万IDを超え、「ヒト」「モノ」「お金」が流れる楽天独自の経済環境=楽天経済圏を作り出しています。楽天経済圏ではひとつのIDでこれらのサービスが利用でき、共通のポイントプログラムでマーケティングを加速させている点が最大の特徴です。
更に我々はオンラインだけでなく、決済機能の付いたIDを楽天以外のオンライン事業や、コンビニ、自動販売機などのオフライン=準経済圏にも今後拡大していきたいと思っています。

THE LECTURER講師紹介

向谷 和男
向谷 和男Mukaidani Kazuo
楽天株式会社 楽天マーケティングジャパン事業 RMJマーケティング部 部長

楽天グループのサービス・データ・プラットフォームを活用したデジタルマーケティングの企画立案業務を軸に、企画支援、クリエイティブ、キャンぺーンマネジメントを統括。2003年より楽天株式会社に入社。Infoseekのサービス収益化業務、求人情報サービス事業責任者、楽天WOMAN編集部部長を経て、現職に至る。

針木 俊
針木 俊Hariki Shun
楽天株式会社 楽天マーケティングジャパン事業
企画推進部 企画プランニンググループ 兼
営業部 ソリューション営業グループ

楽天を活用したデジタルマーケティングの企画開発及び営業・企画支援業務を行うチームリーダー。2009年に楽天株式会社に入社。広告事業にて食品・日雑関連の大手企業を担当する営業を経て、2010年より企画職に転向。主にeCommerce関連のプロジェクトを中心に担当。