楽天の広告で実現するオムニコマース

楽天株式会社 執行役員 グローバルアドディビジョン アドプランニング統括部 ディレクター
紺野 俊介

運用型広告へ大きく舵を取り始めた楽天

 半年ほど前に開催したカンファレンスにおいて、今後楽天が何を皆様に提供できるかを明確にお示ししていくことをお約束しました。そして今、徐々にそれが整ってきたと感じています。

 現在、インターネットによるデジタルマーケティングの約8割が運用型広告です。これまで楽天は、いわゆる予約型を中心とした広告ビジネスを展開してきましたが、今まさに運用型広告に切り替えるという大きな転換期を迎えており、様々なアプローチによる商品開発やサービスの提供が始まっています。

 また、オンラインだけでなくオフラインのデータを活用する、「オムニコマース」の取組も強化しています。一般的にはオムニチャネルと言われていますが、楽天ではオムニコマースと呼んでいます。

 

 

オンラインとオフラインが一つの世界に

 オンラインとオフラインのデータを統合するという動きは以前からありましたが、データが点在しており実際に結びつけることが難しいのが実情でした。

 楽天の大きな特徴として、1億を超えるIDがある点が挙げられます。これにより、楽天エコシステムと呼ばれる70以上の多様なサービスからできた顧客プロファイルで、きめ細かい顧客理解が可能です。またこのデータと様々なデータを組み合わせることで、これまで結びつけることができなかったオンラインとオフラインの連携も徐々にできるようになってきました。

 

オンラインとオフラインが一つの世界に。

 

 楽天では、楽天IDによって実際の購買データや、正確な住所や年齢などの属性情報を蓄積しています。これを様々な形で運用データに取り入れ、SEMとかけ合わせたり、ポイントやクーポンを配信したりなどといった最適化サービスを開始しています。また、この膨大なIDをAIで解析し、ユーザー拡張をするサービスも開始しています。

 今までオンラインの狭い世界でしかできなかったことが、オフラインでも実現できるようになってきているのです。

 

 

オフラインコマース領域で起こる変化

 これまで、オンラインでダイレクトに販売するビジネスモデルではコンバージョンやCPA (Cost Per Acquisition)、CPO (Cost Per Order)といった形で成果を測定してきましたが、オフラインになると仮説ベースの検証に頼らざるを得ないのが現状でした。この状況に対し、オフラインにおいてもIDで購買行動を明確に捉えていこうというのが、楽天がまさに取り組んでいることです。

 オフラインの販促アプローチについても、これまでインターネット上でしかできなかった最適化パーソナライズの実現に向け動き始めました。AIを活用したユーザー拡張で効率的にターゲティングし、それをオフラインでも実現していく。これが我々の世界観です。

 IDを起点として、オフラインのさまざまなデータを統合していくことで、これまで見えなかったデータを見えるようにしていくことを、様々なパートナー様や広告主様と始めています。

 

オフラインコマース領域で起こる変化

 

 

データマーケティングに基づくKPIの実現

 私たちの基本コンセプトは、「IDを介して、統合していく」ということです。

 もちろん、楽天が提供できるソリューションだけではすべてを網羅できないので、インベントリーパートナー様とデータをつなげたり、企業様の持っているデータプラットフォームともつなげたりしていく。また、テレビを含めたユーザー接触チャネルにも取り組んでいきたいと考えています。将来的には、テレビもIDでログインする世界がやってくるかもしれません。

 

データマーケティングでクライアント様の様々なKPIを実現

 

 これらを、Cookieではなく、IDによって実現していくのが私たちの構想です。皆さまと共にソリューション化し、KPIを実現していく所存です。

 

 

紺野 俊介
紺野 俊介Konno Shunsuke
楽天株式会社 執行役員
グローバルアドディビジョン アドプランニング統括部 ディレクター


1975年、千葉県生まれ。横浜市立大学卒業後、EDS Japan(現日本ヒューレット・パッカード)を経て、2003年に株式会社アイレップに入社。デジタルマーケティング事業を牽引し、2006年には大阪証券取引所ヘラクレス(現 大阪証券取引所JASDAQ)への上場に成功。同年取締役に就任。2009年からは9年間代表取締役社長を務め、アイレップを運用型広告でトップクラスの企業へと導く。書籍・コラム執筆や、セミナー講演も多数。2018年7月、楽天株式会社入社、同年8月より現職。