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DM活用による新しいマーケティングの可能性

楽天グループ株式会社 グローバルアドディビジョン 広告営業部 営業課
ヴァイスシニアマネージャー
林 雄之

楽天によるDM販促効果

 楽天の強みは、膨大なデータ、メディアとの連携、そしてIDの活用による高い汎用性です。これらを組み合わせ、デジタルとアナログを融合させた新しいマーケティングを実現しています。

 一般的にDMは、バラマキ型になりがちで効果検証ができないと言われますが、楽天のDMは違います。IDによる分析ができるため、効果検証が可能です。ハガキ、物品、段ボールでの郵送等幅広く対応しており、オンラインにおけるアンケートや、オフラインにおける「楽天ポイントカード」を活用した取り組みも可能です。

 

 

1兆円を超えるDM市場

 DMの市場規模は横ばいですが、郵送料、データ費や印刷費を含めると1兆円というまだまだ非常に大きな市場です。現在、一家庭あたり1週間で平均5~6通のDMが届く(※1)と言われています。届いたDMのほとんどは見ないで捨てられてしまうとも言われますが、取引経験のある企業から送られてくるDMの7割は好意的に受け取られる(※2)というデータがあるのをご存知でしょうか。楽天会員は1億を超えることから、配信するDMは好意的に受け取られていると推測されます。

 

DM受け取りに関する特徴-取引経験のある企業からのDMは約8割が好意的

 

 デジタルメディアが「認知メディア」とすると、DMは一人ひとりに寄り添っていることや、インパクトがあることが求められる「行動喚起メディア」です。DMを受け取った後、5人に1人が何らかの行動を起こしている(※3)というデータもあり、高確率でアクションを導くことができるメディアだと言えます。

 また、楽天のDMは、1億以上の楽天会員から多角的にセグメント化されたユーザーへ届けることができます。

 楽天のDMの特徴は5つ、高開封率、高到着率、ターゲティング、効果測定、高アクションです。加えて様々なメディアと連携することで、より汎用性が高く販促活動に活きるDMを提供していきたいと考えています。楽天のDMはIDでユーザーが分析できるため、DMの前後にEメールを組み合わせる、「RMP - Trading Desk」による広告配信を組み合わせてコンバージョン率を最大化させる、といった複合的な取り組みも可能です。

 

Rakuten DM-高開封率・高到着率・ターゲティング・効果計測・高アクション

 

 

※1:一般社団法人日本ダイレクトメール協会『広告メディアとしてのDMの現状』,2018年, p.19
※2:一般社団法人日本ダイレクトメール協会研究開発委員会編『「DMメディア実態調査2017」調査報告書要約版』,2018年, p.14
※3:一般社団法人日本ダイレクトメール協会『広告メディアとしてのDMの現状』,2018年, p.16

 

 

「RMP - Direct Message」による新たなセグメント

 大手出版社でのDM事例を1つご紹介します。

 8年間某ビジネス誌の定期購読訴求を行っていただいておりますが、「楽天ブックス」で定期購読者のIDを分析すると、「プロフェッショナルなビジネスマン」、「完璧なアスリートを目指している」という傾向があぶり出されました。ここから、「ビジネス誌を定期購読している方は全方位的に意識が高い」という仮説をたて、そこから「楽天トラベル」でファーストクラスに乗っている、「楽天カード」でふるさと納税をしていて節税に対しても敏感な方というように、新たなセグメントを設定しました。クライアント様と相談の上で新しいPDCAをまわすことに成功しています。

 

 

外部サイトと提携でリーチする「RMP - ID Consortium」

 パートナーサイトと連携するDMも提供しています。パートナーサイトに、楽天会員を分析できるタグを埋め込み、リーチをするという手段です。

 

不動産や自動車、検討フェーズのユーザーへリーチ

 

 某住宅企業様の事例では、注文住宅の一来場あたりの単価が5万円~10万円と言われている中、2万円まで抑えることができました。外部企業のサイトに訪問している顧客にターゲティングし、かつ楽天IDで分析した正確な配信先を組み合わせることで、このような高い結果を導くことができました。

 

 

「Rakuten AIris」×DMでコンバージョン率500%

 「Rakuten AIris」というAIエージェントを利用し、コンバージョン率を大幅に上げたという事例もあります。商材は洗剤で、楽天のデータからユーザーの消費行動を解析して見込みユーザーを設定し、DM配信を行いました。競合のセグメントと比べると、サンプリング後のコンバージョン率は5倍という結果になりました。

 

 

「Rakuten Pasha」による購買促進PDCA

 新サービス「Rakuten Pasha」とDMを組み合わせることで、購買促進のPDCAを回すことも可能です。「Rakuten Pasha」は、ユーザーが「トクダネ」というクーポンを事前に獲得し、該当商品のレシートを撮影して送信することで楽天スーパーポイントがもらえるサービスで、ユーザーがどこで購入するかは問わない点が特徴です。レシートの情報と楽天IDで、オフラインの購入データを分析することもできます。

 DMに「Rakuten Pasha」で該当商品の「トクダネ」が獲得できるQRコードを記載することで、サンプリングした方の中で実際に購買した人数を明確にすることが可能です。サンプリング後のコンバージョン率を捕捉できるため、データを貯めていくことで、ブランドの横展開や、アップセルが実現できます。

 

 

購買行動へ直結する「MIHA」

 楽天グループの「MIHA」との連携も可能です。MIHAは、スポンサーの予算を預かり、所属YouTuberとタイアップしたスポンサー動画を作成し投稿する、インフルエンサーマーケティングを展開しています。MIHAのスポンサー動画に登場する商品は、視聴者の購買行動に深く関連しています。視聴者から許諾を得た上で当該商品のDMを送ることで、深いブランド体験をしている方へのより効果的なDMの提供が実現できます。

 

 

DMという従来からの手法の新しい可能性

 DMは、単なる旧来型のアナログな紙媒体ではありません。様々な切り口でクライアントの販促活動を支援することができます。楽天では今後も、新たなDMの可能性を探り、提供していきます。

 

事実データに基づくターゲットに対してのDM

 

 

林 雄之
林 雄之Hayashi Hiroyuki
楽天グループ株式会社 グローバルアドディビジョン 広告営業部 営業課 ヴァイスシニアマネージャー


2013年、楽天株式会社(現楽天グループ株式会社)の広告事業に中途入社。70を超える楽天サービス基盤をもとにした企画提案業務に従事。また、大手非消費財メーカーの販促領域を中心に、楽天のビックデータを活用したソリューションを提供。現在は、楽天×「サードパーティーデータ」をテーマに企画営業を担当。