20年来変わらないデジタル広告の課題
以前私はAdRoll日本法人の会長を務めており、当時の社長はここにいる香村でした。また、それ以前にふたりが一緒にGoogleで働いていた時期もあり、それをご存じの方々は、今日お話しするようなことは“いつか起こるだろう”と想像されていたのではないでしょうか。ようやく形になりお披露目させていただく次第ですが、まず私からはその前提となる、楽天がどういうモチベーションでデジタル広告事業に取り組んでいるかについてお話しさせていただきます。
デジタル広告の市場は伸びてはいるものの、広告主・媒体・ユーザーの側にはまだまだ課題が山積みです。1996年にヤフーの第一号社員として「効果が数値で見える」とデジタル広告を始めましたが、まだそのような域には達していません。広告主に一体どこまでが購買につながったかを説明しきれておらず、本当の意味での投資対効果が見られていません。媒体はクリックの多いサイトの評価のみが上がる一方で、クリック数が少ないところには予算が落ちず、一次メディアの価値は証明されないままです。ユーザーから見れば、デジタル広告、特にリターゲティング広告はうっとうしいと思われていて、愛されていない。そういう問題意識を持っています。
従来の広告モデルは、プラットフォームから媒体を経由して、自社サイトに呼び込みますが、実際どれくらい売れたかはわかりません。現在、これに代わる流れを開発中で来年早々にリリース予定です。その一部が今日お披露目させていただく楽天アドロールの共同プロダクト第一弾になります。