アドベリフィケーション(ビューアビリティ、ブランドセーフティ、アドフラウド)への意識の高まりが著しい昨今、デジタルマーケティングがクリックという指標のみにおいて語られる現状を、20年以上デジタルマーケティングの世界にいる者として非常に残念に思っています。果たしてクリックとは本質的な指標でしょうか。
我々が様々なテストを実施した結果、必ずしもクリックの量と購買は比例しない、という事実が明らかになってきました。一方で滞在時間が長い優秀なサイトは購買につながりやすいことも分かってきました。
業界全体として、クリック指標偏重の傾向を見直していくべきではないでしょうか。楽天としても、購買を中心とした独自の指標の開発を進めているところです。
3月22日 【TOPICS】 有馬誠がVR FORUM 2018のパネルディスカッションに登壇いたしました
CPCからの脱却
テレビ・オンライン・オフラインのデータの融合
テレビの視聴データとIDデータを結びつけることで、視聴者の属性や傾向が分かります。すなわち、どのCM枠が購買につながりやすいのか、誰が購買しているのか、が明確にできるということです。ファクトデータでCM枠ごとの価値を示すことで、価値に応じた値付けが適切になされる状態を実現できます。
このID-based marketingは、ここ2~3年でさらに進化するでしょう。第三者データとの連携には大きな可能性があります。テレビの視聴データ、オンラインでの購買データ、実店舗におけるオフラインの購買データをID連携によって結びつけることができると、次々と新しい事実が分かってくるはずです。国内最大規模となる楽天会員IDをもとに、様々なデータホルダーとの積極的な連携も視野に入れ、共に広告業界に新しいマーケティングの世界をもたらしていきたいと考えています。
リターゲティングから拡張へ
もはやリターゲティングはやり尽くし感が出ていると言えるかもしれません。これからは、正確なターゲティングと購買ファネルの上部への拡張をいかに両立するかが重要です。楽天では、約9,520万の楽天会員IDをもとに質の高い拡張が簡単にできる技術の開発を進めていますが、ここで大切なのは、やはり第三者データとの連携です。在庫量を増やす、ターゲットとなる人を増やすのは、業界共通の課題です。様々な会社さんとの連携などを通じて、いろいろなことを試していきたいと考えています。
先日、テレビの視聴データと楽天会員IDを連携させ、広告接触と購買の関係を分析したところ、テレビCMとWeb広告の両方に接触した人の購買率が最も高いことが分かりました。つまり、テレビとWebの両方で広告を実施するのが効果的であるというのが実データでわかったのです。
購買や効果につながる広告が正しく評価される状態を作ることが今後のインターネット広告業界には必要です。これまでテレビで、放送局、広告代理店、広告主が作ってきた世界観をデジタルでも実現したい。そのためにはビッグデータが不可欠なのです。新しいマーケティングの世界の実現に向け、業界全体で協力し合っていく所存です。
本イベントについて、株式会社ビデオリサーチのプレスリリースにも掲載されました。
https://www.videor.co.jp/press/2018/180312.htm
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