6月8日・9日に東京・六本木で開催された「宣伝会議インターネット・マーケティングフォーラム2016」において、「ECサイトのメディア価値 その真の活用方法とは」と題し、ECサイトの現在とその活用方法について講演した内容の第二回!
3M様のEコマースに取り組んだ背景、具体的な取り組みについてお伝えいたします。
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【コラム】宣伝会議インターネット・マーケティング・フォーラム2016講演レポート「ECサイトのメディア価値 その真の活用方法とは?」 第二回
楽天マーケティング講演「ECサイトのメディア価値-その真の活用方法とは」
3M福永氏:3Mはポスト・イット(R)ノートをはじめ、いろいろな製品を取り扱っておりますが、いまECマーケティングに非常に力を入れています。私も新卒以来20数年、3Mで営業とマーケティングをしておりますが、「この商品はどこで売っていますか?」という質問を一番多く受けます。
実際にこれに答えるのは非常に難しく、当社もカスタマーコールセンターがありますが、実際カスタマーコールセンターに聞いても、「その商品は○○で売っています。」と言うように答えることができないのが現状です。もしかしたら近くの○○で売っているかもしれませんとか、在庫があるかどうか判りませんとか、カスタマーコールセンターのスタッフはそもそもそれがどのような製品なのか判らない、というようなことが起こっています。
実際、3Mはグローバルでこのようなことが問題になっていまして、これを何とか解決しなければならないとして、ECマーケティングが一つの解決策だと思っています。弊社のCEOは、これらの3つのドライバーにより、しっかりとビジネスを推進することができるというメッセージを発信しています。
全てのポートフォリオを管理する、イノベーションに投資する、ビジネスが変化しているところにEコマースを活用するなど、広い意味で捉えて推進しています。
eCommerce
↓
・Portfolio Management
・Investing in Innovation
・Business Transformation
一方、現状の日本はどうかと言いますと、3Mというメーカーから見ると、特約店や小売店、カタログ通販、楽天をはじめ直接会員と取引がある既存流通のお客様がメーカーの商品を納めいただいておいており、また直接ECサイトを開設されている状況です。
我々側からどういった商品がどのルートを使って流れているかを把握し始めと非常に複雑でキリがない、これを気にしていると最終的にお客様のもとに辿りつけないという状況になってしまいます。
今、やろうとしていることは「単純にお客様側からものを見たらどうか?」お客様から見て買われる場所、情報を取る場所を理解して、そこに情報とものを配置するといったことをシンプルに考えようとしています。実際、アメリカのポスト・イット(R)ノートのサイトでは「Where To Buy?(どこで買いますか?)」というボタンがあって、これを押すとアマゾンやオフィスデポなどの在庫のありなしが判り、もう一度押すと近くのお店の位置情報まで表示されるようになっています。これは非常に便利でカスタマーファーストという考えに基づいてできていますが、実際に日本でこれをやろうとするととても大変で、実際にできていません。
理由は、社内の協議の段階でこの店は載せる、この店は載せない、どうしてこの価格で載せるんだ?など、非常に大きな社内競合になってしまい、全く進んでいないという状況です。それを変えていかなければいけない、お客様目線で見ていかなければいけないという考えをもっています。
実は3Mは小さな企業の集まりみたいなものでありまして、5つのビジネスグループの中に、約20の事業部があります。この事業部がそれぞれ独立して経営指標の管理や、セールス、マーケティング、技術、開発、製造を行っていますので、なかなか共同で何かをやるといった大型のプロモーションをすることが全くできない。
またひとつひとつのマーケティング施策についても予算が限られているため、まとめれば大きくなるが、資産も分散していて集中させることができない、といった課題がありました。
そのため2年前からどんどん捕捉していこうということで現在、Eコマースプロジェクトはどこのグループにも属さず、社長直下の組織で運用しています。
よく社長直下の組織を作るとか、キーアカウントの組織を作るというのはどのメーカーでもやっていると思いますが、我々が目指しているのは「絶対にコーディネーターにならない」としています。担当者同士を引き合わせて、後はよろしくお願いします、ということではなく、チームメンバー全員が実際に手を動かす、エンドユーザや流通のところまで行ってしっかり商談して、3M全体で動いて製品を売っていこうと試みています。
その中で感じたことは、Eコマースにおいて物を売るための手段として思うのは、今までの経験からすると、結局、Eコマースに物を登録しただけでは売れないということが判っています。基礎的な力、要は「筋トレ」だと思っています。
しっかり筋トレをして、商売ができる体を造らないと、楽天の力を借りても認知・露出・販促を掛けても拡大は出来ない。3Mは事業部制のため、商品情報の整備や、登録する製品のまとめや情報の一元化など、全く出来ていませんでした。
現在はようやそこが整ってきたので、筋トレが終わっていざ試合に臨める体制が出来てきたところなので、これからはもっと楽天の力を借りて、最終的な購買に結びつけられるようにしたい。そして、3Mのファンをいかに作っていくか考え、エンドユーザの購買に結びつけていくのかを考えていきたい。
(写真左から)スリーエム ジャパン株式会社 eコマース プロジェクト部 プロジェクト部長 福永 努 氏
同社 eコマース プロジェクト部 eコマース セールスグループ セールス&マーケティング マネージャー 佐藤 尚樹 氏
向谷:われわれもまさに認知・露出~販促~購買、こういった取り組みをいままで数年来多くサポートさせていただいていますが、キャンペーンが始まった後に、実際は商品がなかったとか、在庫が足りないなどの失敗を多く見て来ましたので、まさにプロジェクトのベースの部分を最初の段階をしっかりみながら、商品情報整備~在庫管理といった上の階層部分も整備することが大事だと痛感しています。
福永氏:そうですね、在庫が無いだけではなく、キャンペーンにした商品のパッケージが古い写真が載っていたとか、写真と実際に届いた商品が違っていたとか、実際にはリニューアルなどで新しくなっているため、ユーザにはより良い新しいデザインのものが届いているんですが、当然、出している情報と届いたものが違っていては、クレームになりかねないし、リピートいただけることもないと思っています。
もうひとつ3Mは、販促や露出をあげるために注力しているのが、動画を使った製品紹介です。3Mの商品は、判りづらい商品がとても多いです。中には製品のうんちくを語ってしまう商品動画も非常に多いんですが、お客さん目線に立ってどんな用途に使えるものか、どんな場合に使えるか判りづらい。例えば、DIYで「貼って剥がせる強力両面テープ」という商品に関して、貼って剥がせるということは=強力でないのでは?強力な両面テープが剥がせるとはどういう商品なんだ?といった問いに対して、社内で物議を交わしましたが、これは糊の強さがどうだとか、何キロ以上の加重が掛かるところでは使用しないでください。
というメッセージになってしまいました。それが全くお客様には伝わらなかったため、「キッチンの壁紙にも使っていただけます」とか、「フックをはがす時にはきれいに剥がせます」というような動画を作らないといけない。
いま注力しているのはこういった動画を充実させて、もっとお客様目線で用途の紹介をし、これをいかに多くの方に届けるかというところを楽天と一緒に取り組んでいきたいと考えています。
これらの現状を踏まえ、商品認知、購入促進のため楽天がECサイトとしてメディアとしてどのような役割を果たしているのか?
第3回に続く
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